野菜の育て方一覧 / モロヘイヤ
モロヘイヤの育て方
難易度★★☆ ・ 初収穫まで約40〜60日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 5月・6月

モロヘイヤは熱帯アフリカやインド西部などが原産とされ、エジプトで古くから食べられてきた葉物です。日本の真夏によく育つ数少ない野菜のひとつです。他の葉物が暑さで枯れる時期に収穫の最盛期を迎えるため、夏の食卓を支える存在になります。刻んだときの粘りが持ち味です。ただしこの品目には、他の葉物にはない重要な注意点があります。種子とさや、そして発芽後まもない幼苗には毒性成分が含まれるという点です。このページでは、その扱いを含めて育て方をまとめます。
モロヘイヤの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| モロヘイヤ | ◯ | ◯ | ● | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
モロヘイヤの育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは食べてよい部位を守ること。食用にするのは、十分に生育した株の柔らかい葉と茎だけです。種子、種子を含むさや、発芽後まもない幼苗には毒性成分(強心配糖体)が含まれます。この点だけは他の葉物と決定的に違うので、必ず守ってください。
2つめは気温が上がってから植えること。熱帯原産で、地温が足りないと発芽も生育も進みません。5〜6月まで待つほうが、早まきするより結果的に早く収穫できます。
3つめは摘心して脇芽を増やすこと。草丈40〜50cmで先端を摘むと、脇から枝が伸びて収穫量が増えます。1本立ちのまま伸ばすより、はるかに多く穫れます。
モロヘイヤで食べてよい部位と注意すべき部位
食用にできるのは、生育した株の先端の柔らかい葉と茎です。日常的に収穫して食べるのはこの部分だけと考えてください。硬くなった茎は食感が悪いので、食用に向きません。
注意が必要なのは、種子、種子を含むさや、そして発芽直後の幼苗です。発芽したばかりの芽をスプラウトのように食べてはいけません。収穫適期の葉や茎からは検出されないとされていますが、部位によって扱いが変わることを覚えておいてください。
秋になって花が咲き、さやがつき始めたら、さやと種子は必ず取り除きます。収穫を続ける場合も、さやが混ざらないように確認してください。家庭菜園では種を採らず、毎年新しい種を買うほうが安全です。
モロヘイヤの種まき時期と苗の選び方
種まき適期は温暖地で5〜6月です。発芽適温は25〜30℃と高く、気温が十分に上がってからまきます。低温期にまいても発芽が揃わず、生育も進みません。
苗も出回るので、種から育てるのが不安なら苗から始めても構いません。本葉が数枚ついた、がっしりした苗を選んでください。品種の選択肢はほとんどなく、一般的なモロヘイヤ種子で問題ありません。
1株でもかなりの量が穫れる品目です。家庭で食べるぶんには2〜3株もあれば足ります。買いすぎに注意してください。
モロヘイヤのプランターのサイズと種まきのやり方
株間30〜40cmを確保するので、幅60〜65cmの標準的なプランターなら2株が目安です。3株以上植えるならより大型の容器を使ってください。草丈が1m以上になり根も張るので、小さい容器では夏の水切れが避けられません。
直まきなら覆土1cm、株間30〜40cm。背が高くなるため、風で倒れないよう安定した容器を選び、必要に応じて支柱を立ててください。
用土は市販の野菜用培養土で問題ありません。高温期に旺盛に育つので、土量が多いほど管理が楽になります。
モロヘイヤを畑・地植えで育てる場合
植え付けの2週間前に酸度を調整し、1週間前に堆肥と元肥を入れて耕します。株間は30〜40cm。地温が上がってから植えることが最も重要なので、他の夏野菜より遅めのスタートで構いません。
アオイ科でオクラと同じ科です。同じ科の野菜が少ないため輪作は組みやすい品目ですが、オクラと続けるのは避けたほうが無難です。
夏の高温期に強いので、春の葉物を片づけた後の後作として組み込みやすい品目でもあります。他の野菜が難しい時期の穴埋めとして使えます。
モロヘイヤの摘心と収穫量を増やす育て方
草丈40〜50cmになったら、先端15cmほどを摘み取ります。これが摘心で、同時に収穫にもなります。摘んだ位置の下から脇芽が伸び、枝数が増えていきます。
その後は伸びた脇芽を同じように摘みます。摘むほど枝が増えるので、収穫を重ねるほど株が茂り、1回あたりの収穫量も増えていきます。
放置して1本立ちのまま伸ばしても葉は増えますが、分枝が少なく背だけ高くなって収穫しにくくなります。摘心するかどうかで、シーズン全体の収穫量と採りやすさが変わります。
モロヘイヤの水やりと日常管理
高温期に旺盛に育つため、水は多めに必要です。乾かすと葉が硬くなります。表土が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与えてください。回数は天候や容器で変わるので、決めうちにせず土の状態で判断します。
真夏のプランターは乾きが早く、晴天が続く時期は毎日必要になることもあります。表土に敷きわらをすると乾燥のふれ幅を抑えられます。
追肥は収穫が始まったら2〜3週間に1回程度。摘心を繰り返して枝を増やしていくと養分の消耗も大きくなるので、葉の色が薄くなってきたら補ってください。
モロヘイヤが夏の葉物として使いやすい理由
日本の真夏はレタスやほうれん草にとって過酷で、多くの葉物はとう立ちするか枯れます。その時期に旺盛に育つモロヘイヤは、夏の葉物不足を埋める貴重な存在です。
同じく夏に強い空心菜と組み合わせると、真夏でも葉物を切らさずに済みます。モロヘイヤは粘り、空心菜はシャキシャキした食感と、持ち味が違うので使い分けられます。
手のかからない品目でもあります。病害虫が少なく、暑さで弱ることもないため、夏の管理が大変な時期に手間が増えないのは実用上の利点です。
モロヘイヤにつく病害虫と対策
高温期でも丈夫で、病害虫の被害は葉物のなかでは少ないほうです。まれにハダニがつき、コガネムシの幼虫が根を食害することがあります。
ハダニは高温乾燥時に葉裏で増えます。乾燥させないことが予防になり、葉裏へのシャワーも有効です。手のかからない品目ですが、少ないと決めつけず葉裏も見てください。
農薬を使う場合は、ラベルの適用作物欄にモロヘイヤ(またはそれを含む作物群)が記載されている製品を規定どおりに使ってください。収穫を繰り返す品目なので、収穫前日数の確認が大切です。
モロヘイヤのシーズンの終わりと片づけ
気温が下がると生育が止まります。秋に花が咲き始めたら、シーズンの終わりが近いサインです。柔らかい葉が残っているうちにまとめて収穫してください。
片づけるときは、さやと種子を畑やプランターに残さないようにします。こぼれた種から翌春に発芽することがあり、幼苗を誤って収穫する危険があるためです。
冬越しはできない一年草なので、翌年は新しく種をまきます。種を自家採取するより、毎年新しい種を買うほうが安全で確実です。
モロヘイヤの収穫時期と保存・食べ方
草丈40〜50cmになったら先端15cmほどを摘みます。若い葉と柔らかい茎だけを使い、硬い茎は取り除いてください。夏の間、繰り返し収穫できます。
刻むと独特の粘りが出ます。さっと茹でてから刻むと色よく仕上がります。味噌汁、おひたし、冷奴の薬味など、粘りを活かした使い方が向きます。
茹でて刻んだものを小分けにして冷凍しておくと、夏の常備菜として使えます。秋に花が咲いてさやがついたら、さやと種子は必ず除いてください。収穫の終わりどきの目安にもなります。