野菜の育て方一覧 / ピーマン
ピーマンの育て方
難易度★★☆ ・ 初収穫まで約60〜90日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 4月・5月

ピーマンはナス科のなかでは比較的育てやすく、1株から30〜50個穫れることも珍しくありません。ミニトマトほど日照を要求せず、ナスほど水を必要としないため、夏野菜の入口として向いています。しかも収穫期間が6月から10月ごろまでと長く、1株あればしばらく買わずに済む品目です。ただし枝が細くて折れやすく、一番花の下の整理を怠ると実つきが安定しません。このページでは、苗の植え付けから収穫までを、プランターと畑の両方についてまとめます。
ピーマンの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ピーマン | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
ピーマンの育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは一番花の直下のわき芽2本を残し、それより下を取ること。最初の花のすぐ下から出る勢いの良い枝2本と主枝を残し、それより下のわき芽は全部かき取ります。この整理で風通しと採光が確保され、実つきが安定します。
2つめは若採りすること。長さ6〜7cmで収穫すると株が疲れず、次々に実がつきます。大きくしようと待つと株の消耗が大きくなり、結果的に総収穫量が減ります。特に一番果は小さいうちに採ってください。
3つめは支柱を早めに立てること。ピーマンは枝が細く、実の重みと風で簡単に裂けます。植え付けと同時に仮支柱を立て、生育に合わせて本支柱に切り替えます。折れてからでは手遅れです。
ピーマンの苗の選び方と植え付け時期・株間
植え付け適期は温暖地で4〜5月、遅霜の心配がなくなってからです。ピーマンは高温を好み、低温では生育が止まります。気温が安定してから植えるほうが、早植えして寒さで傷めるより結果が良くなります。
良い苗は、本葉が7〜8枚で節間が詰まり、茎が太く、一番花のつぼみが見えているものです。葉色が濃く厚みがあるものを選びます。徒長した苗や下葉が黄色い苗は避けてください。
品種は「京みどり」「エース」などの中型種が育てやすく、家庭菜園の定番です。カラーピーマン(パプリカ)は完熟まで日数がかかり、その間に病害虫のリスクも上がるため、慣れてからのほうが確実です。連作した場所では接ぎ木苗が安心です。
ピーマンのプランター栽培と支柱の立て方
深さ30cm以上、容量15L以上の深型プランターに1株が原則です。深さと土量が十分にあり株間を確保できれば2株も可能ですが、土量が限られる容器で詰めると根が競合して水切れしやすくなります。土量が確保できるほど管理は楽になります。
置き場所は1日6時間以上の日当たりが理想ですが、ピーマンはトマトほど強い日照を求めません。半日程度でも収穫は見込めます。ベランダで日照が限られる環境なら、夏野菜のなかでは有力な選択肢です。
支柱を立てるので、倒れにくい安定した形の容器を選んでください。実がつくと重心が上がり、風で倒れやすくなります。プランターの重さも含めて置き場所を決めておくと安心です。
ピーマンの育て方 畑・地植えと連作障害
ピーマンはナス科で、トマト・ナス・シシトウ・ジャガイモも同じ科です。これらを3〜4年以内に育てた場所は避けてください。連作すると青枯病や疫病が出やすく、発生すると株ごと枯れて収穫できなくなります。
植え付けの2週間前に苦土石灰で酸度調整、1週間前に堆肥と元肥を入れて畝を立てます。株間は45〜50cm。水はけの悪い畑では高畝にします。黒マルチを張ると地温確保と乾燥防止に効果があります。
場所を変えられない場合は接ぎ木苗を使ってください。台木が病気に強い品種なので、連作の制約をある程度緩められます。それでも可能な範囲で輪作を組むほうが安全です。
ピーマンの仕立て方 三本仕立てと支柱・誘引
基本は三本仕立てです。一番花のすぐ下から出る勢いの良い脇芽2本と主枝の合わせて3本を残し、それより下から出る脇芽はすべてかき取ります。かき取りは小さいうちに、手で横に倒すように折り取ります。
残した3本はそれぞれ支柱に誘引します。紐は8の字にゆるく結び、茎が太くなる余地を残してください。きつく縛ると成長とともに食い込み、そこから折れます。
生育中に枝が混み合ってきたら、内部に光が届く程度に整理します。ただし葉は光合成の工場でもあるので取りすぎは禁物です。実がついている枝の葉は残してください。
ピーマンの花が落ちる・実が大きくならない原因
花が咲いても実にならず落ちるのは、水切れか、極端な高温・低温が原因です。特に乾燥が続くと落花します。土の水分を一定に保つことが最も効く対策で、マルチや敷きわらが役立ちます。
実が大きくならない場合は肥料切れを疑います。ピーマンは収穫期間が長く、途中で養分が尽きやすい品目です。収穫が始まったら2〜3週間に1回の追肥を習慣にしてください。
逆に窒素が多すぎると、葉ばかり茂って花が少なくなります。葉が濃い緑色で旺盛に茂っているのに実が少ないときは、追肥を止めて様子を見てください。規定量を守ることが基本です。
ピーマンの病害虫対策
タバコガの幼虫は実に穴を開けて中に入り込みます。実に小さな穴があったら、中に幼虫がいると考えてください。その実ごと取り除いて処分すると被害の拡大を防げます。見た目が正常でも中が食害されていることがあります。
アブラムシは新芽と葉裏に集まります。数が少ないうちに手で取るか水で流します。ハダニは高温乾燥時に葉裏で増え、葉が白くかすれます。葉裏への水かけが予防になります。
アザミウマは実の表面にかすり傷のような痕を残します。実の品質は落ちますが食べられます。青枯病は株全体が急にしおれて枯れる土壌病害で、発生したら回復は難しく、株ごと処分します。予防は輪作と接ぎ木苗です。
ピーマンの水やりと追肥のタイミング
水やりは朝が基本で、土の表面が乾いたら鉢底から流れるまでたっぷり与えます。ピーマンはナスほど多水を必要としませんが、乾燥が続くと落花し、実も大きくなりません。真夏は毎日確認してください。
追肥は最初の実を収穫したころから始め、2〜3週間に1回のペースで与えます。収穫期間が長いため、途中で肥料が尽きると花が咲かなくなります。葉の色が薄くなってきたら肥料切れのサインです。
プランターでは水やりのたびに肥料分が流れ出るので、地植えより追肥の頻度を上げる必要があります。ただし窒素過多になると葉ばかり茂って実つきが落ちるため、規定量を守り、迷ったら少なめから始めてください。
ピーマンの収穫時期と赤ピーマン・保存
開花から15〜20日、長さ6〜7cmが収穫の目安です。ヘタの上をハサミで切ります。若採りするほど株が疲れず、次の実がつきやすくなります。一番果は特に早めに、小さいうちに採ってください。
そのまま木につけておくと、やがて赤く完熟します。赤ピーマンは甘みが強く栄養価も上がりますが、完熟までに1か月近くかかり、その間は株の負担が大きくなります。全部を赤くすると総収穫量は落ちるので、いくつか残して赤くするくらいがちょうど良いバランスです。
採れすぎたら細切りにして冷凍できます。凍ったまま炒め物に使えて便利です。家庭菜園の若採りピーマンは肉厚で苦味が少なく、市販品との違いがはっきり出ます。丸ごと冷凍しておけば肉詰めにも使えます。