野菜の育て方一覧 / バジル
バジルの育て方
難易度★☆☆ ・ 初収穫まで約30〜50日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 4月・5月・6月

バジルは種や苗の値段に対して収穫量が大きく、1株から数百枚の葉が穫れます。スーパーでは数枚で100円前後する葉が、ひと夏で使いきれないほど採れる品目です。育て方の要点は「花を咲かせないこと」と「摘心で枝を増やすこと」の2つに集約されます。放っておくと花穂が上がって葉が硬くなり、収穫の質が落ちていきます。逆に花を摘み続けて枝を増やせば、秋まで柔らかい葉を穫り続けられます。トマトの隣に植えると相性が良いことでも知られ、夏の菜園に1株あると重宝します。このページでは、収穫量を最大にする育て方をまとめます。
バジルの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| バジル | ◯ | ◎ | ◎ | ● | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
バジルの育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは花を咲かせないこと。バジルは花穂が上がると葉が硬くなり、香りも落ちます。つぼみが見えたらすぐ摘み取ってください。これを続けるかどうかで、収穫期間が数週間か数か月かに分かれます。
2つめは摘心で枝を増やすこと。草丈20cmほどで先端を切ると、切り口の下から2本の枝が伸びます。これを繰り返すと株が横に広がり、収穫量が何倍にもなります。1本立ちのまま育てるのは最大の機会損失です。
3つめは水を切らさないこと。バジルは水を好み、乾燥させると葉が垂れてハダニも増えます。朝にたっぷり与えるのが基本で、真夏は朝夕2回。ただし夕方に葉を濡らしたまま夜を迎えると病気が出やすいので、水は株元に与えます。
バジルの種まき時期と苗の選び方・植え方
苗から始めるのが確実です。植え付け適期は4〜6月、気温が安定してからにします。バジルは寒さに弱く、遅霜に当たると一晩で傷みます。急いで植える利点はありません。
良い苗は、がっしり締まっていて葉色が濃く、節間が詰まっているものです。すでに花穂が上がっている苗は避けてください。株が生殖モードに入っており、植え替えても葉が増えにくくなります。
種からまく場合、バジルは好光性種子なので覆土はごく薄くします。発芽適温は20〜25℃と高めなので、気温が上がってからまいてください。発芽率は良いので、少量まいて間引くほうが扱いやすくなります。
バジルのプランター栽培・鉢植え・室内で育てるコツ
深さ20cm以上、直径18〜20cmの鉢に1株。標準的な65cmプランターなら2〜3株です。水を好むので、容器が小さいと真夏に朝夕2回の水やりが必要になります。少し大きめを選ぶだけで管理が楽になります。
置き場所は日当たりの良い屋外です。ただし真夏の強い直射日光と乾燥が重なると葉が硬くなるので、午後に日陰になる場所のほうが柔らかい葉が穫れます。半日程度の日当たりでも十分育ちます。
室内の窓際でも育てられますが、光が不足すると徒長してひょろひょろになり、香りも弱くなります。可能なら屋外に置いてください。ベランダがない場合は、できるだけ明るい窓辺を選びます。
バジルの摘心と収穫方法 収穫を増やす切り方
収穫は葉を1枚ずつ摘むのではなく、枝ごと切るのが正解です。枝分かれしている節のすぐ上で切ると、その節から2本の新しい枝が伸びます。収穫と摘心が同時にできる、効率の良い採り方です。
最初の摘心は草丈20cm、本葉が6〜8枚になったころ。上から2〜3節目のところで切ります。切った先端も食べられるので無駄になりません。これを繰り返すと株がこんもりと茂っていきます。
1枚ずつ摘む採り方だと枝が増えず、株は縦に伸びるだけです。同じ量を収穫しても、その後の生育がまったく違ってきます。バジルで最も知っておく価値のあるコツがこれです。
バジルの葉が黒くなる・虫食いの原因
葉が黒く変色する原因で多いのは、低温障害と水の与えすぎによる根の傷みです。病気や葉の傷、極端な乾燥でも黒褐色になることがあります。バジルは10℃を下回ると傷み始めます。秋の冷え込みで黒くなった場合は寿命なので、一度に収穫して保存に回してください。
冷蔵庫に入れると低温障害で黒くなりやすい葉です。収穫後は常温で保存するか、水に挿しておくほうが長持ちします。これは他の葉物と逆の扱いになるので注意してください。
虫食いはヨトウムシとバッタが主な原因です。ヨトウムシは夜間に活動し、昼は株元の土に隠れています。穴だらけになったら株元を探して捕殺してください。ハダニは乾燥時に葉裏で増えます。
バジルの病害虫対策
ハダニが最も多い被害です。高温乾燥時に葉裏で増え、葉が白くかすれます。バジルは水を好む植物なので、乾燥させないこと自体が予防になります。葉裏へのシャワーも有効です。
アブラムシは新芽につきます。数が少ないうちに手で取るか水で流してください。料理に直接使う葉なので、農薬に頼らず物理的に対処するのが基本です。
梅雨時は多湿で根腐れや立ち枯れが起きます。鉢植えなら雨の当たらない場所に移すと安心です。受け皿に水を溜めたままにしないでください。過湿と乾燥、どちらも避けるバランスが求められます。
バジルの冬越しと挿し木・挿し芽で増やす方法
バジルは一年草で、冬越しは基本的にできません。気温が10℃を下回ると一気に傷み、枯れます。秋の冷え込み前に一度に収穫して、保存用に加工するのが現実的な締めくくり方です。
室内に取り込めば延命できることもありますが、光量が足りず徒長して弱ることが多く、翌春に元気な株として使えるケースはまれです。毎年新しく植える前提で考えてください。
増やすのは挿し木が簡単です。摘心で切った枝を水に挿しておくと、1〜2週間で発根します。それを土に植えれば新しい株になります。夏の間に株を増やしておけば、収穫量をさらに増やせます。
バジルの水やりと追肥
朝にたっぷり与えるのが基本です。バジルは水を好み、乾かすと葉が垂れてすぐ分かります。真夏は朝夕2回必要になることもありますが、夕方に葉を濡らしたまま夜を迎えると病気が出やすいので、水は株元に与えてください。
追肥は月1〜2回、規定量の液体肥料を与えます。収穫を繰り返すほど養分を消耗するので、摘心して枝を増やしているなら追肥も合わせて増やします。葉が小さくなってきたら、肥料切れのほか根詰まり、水切れ、高温、日照不足、開花なども疑ってください。
ただし与えすぎると葉が大きくなる一方で香りが薄くなります。ハーブは適度なストレスがあるほうが香りが立つので、他の野菜より控えめを意識してください。水は多め、肥料は控えめが目安です。
バジルの保存と食べ方
収穫した枝は水に挿しておけば数日持ちます。冷蔵庫は低温障害を起こすので避けてください。すぐ使わないなら、そのまま水に挿しておくと発根して株を増やせるという利点もあります。
大量に採れたらジェノベーゼソースにするのが定番です。バジル・オリーブオイル・にんにく・松の実(またはくるみ)・チーズをミキサーにかけ、小分けにして冷凍すれば1年使えます。乾燥させるより香りが残ります。
少量ずつ使うなら、洗って水気をしっかり拭き、オリーブオイルに漬ける方法もあります。ただし生のハーブを油に漬けたものは必ず冷蔵し、4日以内を目安に使い切ってください。油の中は酸素が少なく、常温や長期の保存ではボツリヌス菌による食中毒の危険があります。長く保存したいときは小分けにして冷凍します。摘みたての香りは市販品と比べものにならないので、まずは何もつけずに1枚食べてみてください。収穫枚数を記録しておくと、来年の株数の判断材料になります。