野菜の育て方一覧 / オクラ
オクラの育て方
難易度★★☆ ・ 初収穫まで約50〜70日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 5月・6月

オクラは熱帯原産で、日本の真夏に最もよく育つ野菜のひとつです。暑さで他の野菜が弱る時期に収穫のピークが来るため、夏の菜園の主力になります。ただし低温では生育がまったく進まず、早植えは失敗の主因になります。もうひとつの落とし穴が採り遅れで、この品目は数日の遅れで食べられなくなります。さらに、収穫した節の下の葉を落としていく「摘葉」という、他の野菜にはあまりない管理も収穫量を左右します。このページでは、種まきから収穫までを順に説明します。
オクラの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| オクラ | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
オクラの育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは気温が上がってから植えること。オクラの発芽適温は25〜30℃と高く、地温が足りないと発芽も生育も進みません。5〜6月まで待つほうが、早植えするより結果的に早く穫れます。焦らないことが最大のコツです。
2つめは採り遅れないこと。開花から4〜7日、長さ7〜10cmで収穫します。角オクラは10cmを超えると急に硬くなります(丸オクラはもう少し大きくても柔らかい品種があります)。夏の最盛期は毎日の収穫が必要です。
3つめは収穫した節より下の葉を落とすこと(摘葉)。風通しが良くなり、上部の実つきが続きます。株が背丈を伸ばしながら上へ実をつけていく品目なので、下の葉は役目を終えていきます。
オクラの種まきと発芽を揃えるコツ
種皮が非常に硬いので、一晩水に浸してからまくと発芽が揃います。この一手間の有無で発芽率が大きく変わります。浸けすぎると腐るので、12時間程度が目安です。
1か所に3〜4粒、深さ1〜2cmにまいて覆土します。株間は40〜50cm。オクラは直根性で移植を嫌うため、直まきが基本です。ポットで育てる場合も、本葉が出たら早めに定植してください。
発芽後は生育の良いものを1〜2本残して間引きます。2本立ちにすると生育がややゆるやかになり、実が硬くなりにくく採り遅れの猶予が増えるという利点があります。1本立ちは生育が早いぶん、収穫の見回りがよりシビアになります。
オクラのプランター栽培のコツ
深さ25〜30cm以上、直径25cm前後の鉢に1株が目安です。直根性で根が深く伸びるため、浅型では草丈が伸びず収穫量も落ちます。深さのある容器を選んでください。
草丈が1m以上になるので、風で倒れない重さと安定感のある容器が向きます。支柱を立てておくと安心です。ベランダでは風の通り道を避けて置くと、倒伏のリスクが下がります。
高温期に育つので水は多めに必要です。乾かすと実が硬くなり生育も止まります。朝にたっぷり与えてください。ただし常に湿っている状態は根を傷めるので、乾いてから与えるリズムは保ちます。
オクラの育て方 畑・地植えの場合
植え付けの2週間前に苦土石灰で酸度調整、1週間前に堆肥と元肥を入れて畝を立てます。オクラはアオイ科で、同じ科の野菜が少ないため輪作は組みやすい品目です。連作障害も比較的出にくいほうです。
地温を上げるために黒マルチを張ると、初期生育が明確に良くなります。オクラは低温で止まる品目なので、地温確保の効果が特に大きく出ます。マルチは乾燥防止と雑草抑制も兼ねます。
地植えは根域が広いぶん株が大きくなり、収穫期間も長くなります。1.5m以上に伸びることもあるので、収穫しやすい高さを保ちたい場合は摘心して背丈を抑える方法もあります。
オクラの摘葉と整枝のやり方
オクラは主枝を中心に上へ伸びながら、各節に順に実をつけます。脇芽は一律にかき取る必要はなく、混み合ったものや勢いの弱いものだけを整理すれば十分です。摘心して背丈を抑えた場合は、伸びた脇芽を収穫枝として使えます。
収穫した節より下の葉は、1〜2枚残して切り落とします。これが摘葉です。株元の風通しが良くなり、病害虫が減り、上部の実に養分が集中します。収穫のたびに合わせて行うと習慣化しやすくなります。
葉柄の付け根から切り取ってください。葉を残しすぎると株元が蒸れ、アブラムシやハダニの温床になります。ただし取りすぎると光合成が落ちるので、上部には十分な葉を残します。
オクラの実が硬い・曲がる原因と対策
硬くなる最大の原因は採り遅れです。オクラは1日で数センチ伸び、収穫適期を過ぎると繊維が発達して硬くなります。夏の最盛期は毎日、朝の見回りを習慣にしてください。
水不足も硬さの原因です。高温期に乾燥させると実の生育が止まり、そのまま硬化します。朝にたっぷり与えることで、柔らかい実が穫れます。マルチや敷きわらで乾燥を抑えるのも有効です。
実が曲がるのは株の勢いが落ちているサインで、日照不足、肥料切れ、水分の変動、根傷み、受粉不良、害虫の吸汁などが背景にあります。まず水と日照を見直し、肥料が切れていそうなら追肥します(原因を確かめずに追肥だけ重ねると過肥になります)。曲がっていても若いうちなら食べられます。
オクラの病害虫対策
ワタノメイガの幼虫は葉を筒状に巻いて中に潜みます。葉が丸まっていたら中に幼虫がいるので、その葉ごと取り除いてください。フタトガリコヤガも葉を食害します。
アブラムシは新芽と葉裏につきます。数が少ないうちに手で取るか水で流します。株が大きくなれば多少の食害では負けないので、初期の生育を守ることが重要です。
ネコブセンチュウが根にこぶを作ることがあります。同じ場所での連作は2年程度あけると安心です。オクラ自体は丈夫な品目で、病害虫で全滅することはあまりありません。
オクラの水やりと追肥
高温期に旺盛に育つため、水は多めに必要です。朝にたっぷり与えてください。乾かすと実が硬くなり、生育も止まります。ただし常に土が湿っている状態は根を傷めるので、乾いてから与えるリズムは保ちます。
追肥は収穫が始まったら2〜3週間に1回。オクラは収穫期間が長く、次々に実をつけるため養分の消耗が大きい品目です。葉の色が薄くなったり実が小さくなったりしたら、肥料切れを疑ってください。
花が咲かなくなったり、実が曲がるようになったら株が疲れています。追肥と摘葉で立て直しますが、それでも回復しない場合は季節の終わりが近いサインです。気温が下がると生育も止まります。
オクラの花を楽しむ・背が高くなりすぎたときの対処
オクラはアオイ科で、ハイビスカスに似た淡い黄色の大きな花を咲かせます。朝に開いてその日のうちにしぼむ一日花で、観賞価値も高い品目です。花が咲いた4〜7日後がその節の収穫時期になるので、花は収穫予定を知らせる目印にもなります。
花も食べられます。開いた当日に摘んで、サラダや天ぷらにするとほのかな粘りがあります。ただし花を摘むとその節に実はつかないので、収穫を優先するなら見て楽しむだけにしてください。
生育が進むと草丈が1.5mを超え、収穫のたびに脚立が必要になることがあります。手が届かなくなったら、主枝を好みの高さで摘心すると脇芽が伸びて、そちらで収穫を続けられます。プランター栽培では早めに摘心して背を抑えるほうが管理しやすくなります。
オクラの収穫時期と保存・食べ方
開花から4〜7日、長さ7〜10cmが収穫の目安です。ヘタの上をハサミで切ります。丸オクラは大きくなっても硬くなりにくいので、採り遅れが心配なら丸オクラを選ぶという手もあります。
茎や葉、実の表面の細かいトゲで手がかゆくなることがあります。収穫時は手袋を使ってください。特に長袖があると腕のかゆみを防げます。
採りたては産毛がしっかり立っています。塩で板ずりすると産毛が取れ、口当たりが良くなります。刻んで冷凍すればいつでも使えます。硬くなってしまった実は無理に食べず、種取り用に残すという選択もあります。収穫本数を記録しておくと、来年の株数を決める材料になります。