野菜の育て方一覧 / パセリ
パセリの育て方
難易度★☆☆ ・ 初収穫まで約50〜70日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 3月・4月・5月・9月・10月

パセリは添え物のイメージが強い野菜ですが、家庭で育てると想像以上の量が穫れ、料理に日常的に使えるようになります。適切に管理すれば長期間収穫が続く品目です。日なたから明るい半日陰まで幅広く育つため、日照が確保しにくいベランダでも選択肢に入ります。二年草で、2年目に花が咲くと株が終わるという性質を知っておくと、更新のタイミングで迷いません。このページでは、長く収穫するための育て方をまとめます。
パセリの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| パセリ | ● | ● | ◯ | ◯ | ◎ | ● | ● | ● | ◎ | ◯ | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
パセリの育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは中心の新芽を残すこと。外側の茎を株元から切り取り、中心は必ず残します。常に10枚程度の葉を残す感覚で採ると、1株から長く収穫できます。
2つめは発芽を待つこと。セリ科で発芽まで2〜3週間かかることがあります。出ないと決めつけて諦めるのが、この品目で最も多い失敗です。その間、土を乾かさないようにしてください。
3つめは二年草だと知っておくこと。1年目に葉を楽しみ、2年目に花茎が立ったら株の寿命です。枯れたのではなく更新の合図なので、新しい株に切り替えます。
パセリの品種と種まき時期の選び方
縮れ葉のカーリー(モスカール)と、平葉のイタリアンパセリがあります。添え物や飾りに使うならカーリー、料理に刻んで混ぜるならイタリアンパセリが使いやすいでしょう。
種まき適期は温暖地で3〜5月と9〜10月が中心です。発芽適温は15〜20℃。真夏と真冬を避ければ、春秋どちらでも育てられます。
セリ科で直根性のため、直まきか小さい苗の定植が向きます。大きく育った苗を移植すると根を傷めやすいので、買うなら小さめの苗を選んでください。
パセリのプランターのサイズと種まきのやり方
深さ20cm以上、直径18cm前後の鉢に1株。幅60〜65cmの標準的なプランターなら2〜3株が目安です。直根性で根が下に伸びるため、浅型より深さのある容器が向きます。
パセリは好光性種子なので、覆土はごく薄くします。発芽まで2〜3週間かかることがあるので、その間は土の表面を乾かさないよう注意してください。
株間は20〜25cm。葉が広がるので、詰めると下葉が蒸れます。1株でもかなりの量が穫れる品目なので、株数は控えめで構いません。
パセリの置き場所と日照の考え方
基本は日なたから明るい半日陰までです。春と秋は十分に日を当てると生育が良くなります。日照が3〜4時間程度でも育つため、日当たりの限られたベランダでも選択肢になります。
夏は強い西日と高温、乾燥が葉質を落とします。午後に日陰になる場所へ移せると、柔らかい葉を保てます。鉢植えなら移動できるのが利点です。
ただし暗い場所では徒長して葉が薄くなり、香りも弱くなります。半日陰でも育つというのは、暗くてよいという意味ではありません。
パセリの収穫のしかたと長く穫るコツ
本葉が10〜15枚になったら、外側の茎を株元から切り取ります。1本ずつ根元から取るのがコツで、葉先だけをちぎると茎が残って見た目が悪くなります。
中心の新芽は必ず残してください。常に10枚程度の葉を残すようにすると、株が消耗せずに次が伸びてきます。一度に大量に取ると回復に時間がかかります。
収穫は下(外側)から順に。上に伸びてくる新しい葉を残していく形になります。この採り方なら長期間収穫できます。ただし秋まきの株は翌春にとう立ちして終わるので、作型によって収穫できる期間は変わります。
パセリの水やりと追肥
乾燥させると葉が硬くなり色も悪くなります。表土が乾いたら株元にたっぷり与えてください。回数は天候や容器で変わるので、決めうちにせず土の状態で判断します。
半日陰で育てる場合、日向ほど乾きは早くありませんが、水切れには注意が必要です。特に夏場は鉢が小さいと一気に乾きます。
追肥は月1回程度。長く収穫を続けるので、養分が切れると葉が小さく硬くなります。収穫量が落ちてきたら補ってください。
パセリのカーリーとイタリアンパセリの使い分け
カーリー(モスカール)は縮れた葉で、料理の飾りや添え物に使われます。食感がしっかりしているので、刻んでサラダに混ぜても存在感が残ります。
イタリアンパセリは平らな葉で、香りと風味は比較的しっかりしています。葉が柔らかく刻みやすいので、パスタやスープに入れる使い方に向き、大量に消費しやすいのはこちらです。
栽培方法はほぼ同じなので、両方を1株ずつ育てて使い分けるのも手です。どちらも1株からかなりの量が穫れるので、家庭で使うぶんには足ります。
パセリにつく病害虫と対策
キアゲハの幼虫が最も目立つ被害です。セリ科を好むため、放置すると数日で葉がなくなります。緑と黒の縞模様の幼虫を見つけたら取り除いてください。
ハダニは乾燥時に葉裏で増え、葉が白くかすれます。乾燥させないことが予防になり、葉裏へのシャワーも有効です。アブラムシは新芽につきます。
料理に直接使う葉なので、農薬に頼らず物理的に対処するのが基本です。使う場合は、ラベルの適用作物欄にパセリ(またはそれを含む作物群)が記載されている製品を規定どおりに。
パセリの二年草としての性質と株の更新
パセリは二年草です。1年目に葉を茂らせ、2年目に花茎が立って花を咲かせ、種を作って一生を終えます。花が咲き始めたら葉は硬くなり、収穫は終わりに向かいます。
これは枯れたのではなく寿命なので、株を更新してください。毎年少しずつ種をまいて株を用意しておくと、途切れずに収穫できます。
花を咲かせると種が採れます。採種して翌年にまくこともできますが、発芽までの日数が長いことを見込んで早めに準備してください。
パセリを室内やキッチンで育てる場合
半日陰でも育つ性質から、明るい窓辺なら室内でも栽培できます。料理中に手を伸ばして摘めるので、使う頻度が上がるのが利点です。
ただし室内は屋外より光量が落ちるため、徒長しやすくなります。日中は屋外やベランダに出し、使うときだけ室内に取り込むという運用が現実的です。
室内では風が通らないぶん、ハダニが増えやすくなります。ときどき葉裏を確認し、乾燥しているようなら霧吹きで湿らせてください。
パセリの連作障害と輪作
セリ科です。パクチーやニンジン、セロリも同じ科なので、続けて作らないようにします。
実際の栽培終了時期を基準に輪作を計画し、その後は同じ場所や土でセリ科を続けないようにします。二年草で長く同じ場所を使う品目だという前提で配置してください。
プランターなら培養土の入れ替えで対応できます。直根性なので、途中で場所を変えるのは難しいと考えて最初に置き場所を決めてください。
パセリの保存と食べ方
刻んで冷凍しておくと、凍ったまま料理に振れて便利です。乾燥させるより冷凍のほうが香りが残ります。使うぶんだけ取り出せるので実用的です。
茎にも香りがあるので、スープの香りづけに使えます。葉だけ使って茎を捨てるのはもったいない量が穫れます。
添え物だけで終わらせるには多すぎるほど収穫できる品目です。刻んでサラダに混ぜる、パスタに散らす、ソースに使うなど、消費方法をいくつか持っておくと使い切れます。
たっぷり使うならタブレというサラダが向きます。刻んだパセリを主役にする料理で、家庭菜園でしかできない量の使い方です。バターに混ぜてパセリバターにしておくと、冷凍で長く保存できます。