野菜の育て方一覧 / ニラ
ニラの育て方
難易度★☆☆ ・ 初収穫まで約60〜90日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 3月・4月・9月

ニラは一度植えれば数年収穫が続く多年草です。1年で終わる野菜とは管理の考え方が違い、初年度は株を太らせることに使い、2年目以降に本格的に収穫します。刈り取っても根が残り、年に3〜4回穫れるため、長い目で見ると費用対効果が非常に高い品目です。植えるときの手間は他の野菜と変わらないのに、その後の数年ぶんの収穫が得られるという意味で、家庭菜園でも投資対効果の分かりやすい品目です。このページでは、植え付けから数年にわたる管理と、株が細くなったときの更新方法までをまとめます。
ニラの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ニラ | ● | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ● | ◯ | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
ニラの育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは多年草だと理解すること。一度植えれば数年収穫が続きます。植える場所は数年動かさない前提で決めてください。畑なら区画の端、プランターなら大きめの容器が向きます。
2つめは初年度に穫りすぎないこと。1年目は株を育てることを優先し、収穫は控えめにします。ここで我慢すると、2年目以降の収量がはっきり変わります。
3つめは数年ごとに株分けすること。3〜4年経つと株が混み合って葉が細くなります。掘り上げて分け、植え直すと勢いが戻ります。
ニラの品種と苗の選び方
葉ニラ(一般的なもの)、花ニラ(ニラの花茎を食べるもの)、黄ニラ(遮光して育てるもの)があります。家庭菜園では葉ニラが標準です。
ニラで最も注意が必要なのがスイセンとの取り違えです。葉の形がよく似ており、毎年のように誤食事故が起きています。スイセンは有毒で、重い症状が出ることがあります。ニラの近くにスイセンを植えないでください。混ざって生えている場所では採らないのが安全です。ニラは葉をちぎると独特の匂いがしますが、匂いだけに頼らず、確実にニラだと分かるものだけを収穫してください。観賞用の「ハナニラ」も別種の有毒植物です。
種から育てると収穫まで1年以上かかるため、苗か株分けから始めるほうが現実的です。ホームセンターで苗が手に入ります。
ニラのプランターのサイズと植え付け
深さ20cm以上のプランターで、3〜4か所にまとめ植えします。数年育てるので、根が詰まりにくい大きめの容器を選んでください。3〜4年で株分けが必要になるため、扱える重さも考慮します。
株間は20〜25cm。1か所に3〜4本まとめて植えると株が充実します。1本ずつばらして植えるより、まとめたほうが結果が良くなります。
植え付け適期は温暖地で3〜4月と9月が中心です。植え付け後はたっぷり水を与え、根が動き出すまで乾かさないようにします。
ニラを畑・地植えで育てる場合
地植えなら数年動かさない前提で、区画の端や通路沿いなど、他の野菜の作付けと干渉しない場所を選びます。毎年耕す区画の真ん中に植えると、輪作の邪魔になります。
植え付けの2週間前に酸度を調整し、1週間前に堆肥と元肥を入れて耕しておきます。株間20〜25cmで、1か所3〜4本のまとめ植えにします。多年草なので、最初の土づくりが数年ぶんの生育を左右します。
冬は地上部が枯れますが、株元にわらや腐葉土をかけておくと防寒になります。春に新しい葉が伸びてきたら、枯れ葉を取り除いて追肥を与えてください。
ニラの1年目の管理と株の育て方
1年目は収穫より株づくりを優先します。葉を全部刈ってしまうと株が消耗するので、必要なぶんだけ少しずつ摘む程度にとどめてください。
夏に花茎が上がってきたら、摘み取ります。花を咲かせると株の養分がそちらに向かい、葉の生育が落ちます。花茎自体は「花ニラ」として食べられるので無駄になりません。
冬は地上部が枯れますが、根は生きています。枯れた葉を取り除いて、春を待ってください。翌春に新しい葉が伸びてきます。
ニラの収穫のしかたと年間の回数
2年目以降、草丈25〜30cmになったら地際3〜4cmを残して刈り取ります。根元まで刈らず、必ず数センチ残すのがポイントです。ここから再生します。
刈り取り後に追肥と水を与えると、次の再生が早まります。年に3〜4回収穫でき、1回刈るごとに次が伸びてくるサイクルになります。
刈るたびに株は消耗するので、収穫と収穫の間隔を詰めすぎないでください。葉が十分な長さに戻ってから次を刈ると、株が長持ちします。目安としては、前回の刈り取りから3〜4週間ほど空くことが多くなります。急いで刈っても細い葉しか穫れず、株を弱らせるだけになります。
ニラの水やりと施肥
適度な湿り気を好みます。表土が乾いたら鉢底から流れるまで与え、受け皿に水を溜めないでください。排水が悪いまま過湿が続くと根が傷みます。
神経質になる必要はありませんが、乾かしっぱなしも避けます。多年草なので、季節ごとに水の要求量が変わることも覚えておくとよいでしょう。
施肥は刈り取りのたびに少量ずつ。年に何度も収穫する品目なので、そのつど養分を補ってやると株が細くなりにくくなります。
ニラの葉が細くなったときの株分け
3〜4年経つと、株が混み合って葉が細くなります。これは寿命ではなく、株が増えすぎて養分と場所を取り合っている状態です。
掘り上げて根を分け、3〜4本ずつのまとまりにして植え直します。適期は春か秋。この作業で勢いが戻り、また数年収穫できます。
「やせてきたから終わり」と諦めてしまうのが、この品目でよくある終わり方です。株分けという選択肢を知っていれば、同じ株を長く使えます。
ニラにつく病害虫と対策
独特の匂いのおかげで害虫は少なめですが、ネギアザミウマがつくことがあります。葉に白いかすり傷のような跡が出たら疑ってください。
さび病は葉にオレンジ色の粉状の斑点が出る病気です。多湿と過密で発生しやすいので、株が混み合ったら株分けして風を通します。発病した葉は取り除いてください。
農薬を使う場合は、ラベルの適用作物欄にニラ(またはそれを含む作物群)が記載されている製品を規定どおりに使います。収穫を繰り返す品目なので、収穫前日数の確認が特に大切です。
ニラの花ニラと種の楽しみ方
夏になると、株の中心から硬い花茎が伸びてきます。葉の収穫を優先するなら摘み取りますが、この花茎自体が「花ニラ」として食べられます。つぼみが開く前の柔らかいうちに摘んでください。
花ニラは葉より甘みがあり、炒め物にすると一品としての存在感があります。摘み取り作業がそのまま収穫になるので、無駄がありません。
花を咲かせてしまうと株の消耗が大きくなります。種を採りたい場合を除いて、花茎は見つけ次第摘むのが基本です。放置すると葉の生育が落ちます。
ニラの保存と食べ方
刈りたては香りが強く、市販品との差が最も出る品目のひとつです。まずは炒め物やレバニラで、香りの違いを試してみてください。
冷蔵なら湿らせた紙に包んで3〜4日。刻んで冷凍しておけば、餃子や汁物にそのまま使えます。根元の白い部分ほど香りが濃いので、捨てずに使ってください。
餃子に使うなら、刻んでから少し置くと香りが立ちます。加熱は短時間で、火を通しすぎると香りも食感も落ちます。汁物なら火を止めてから加えるくらいでちょうどよくなります。
多年草で長く付き合う品目なので、植えた年と株分けした年をMinologに記録しておくと、次の株分け時期の判断に使えます。何年目の株がいちばん穫れたかが分かると、更新のタイミングを自分の環境に合わせられます。