野菜の育て方一覧 / 春菊
春菊の育て方
難易度★☆☆ ・ 初収穫まで約30〜50日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 3月・4月・8月・9月・10月

春菊は鍋の名脇役として知られますが、家庭菜園では「摘み取りながら長く収穫する」使い方ができる品目です。株ごと抜けば一度で終わりますが、摘心して脇芽を伸ばせば2〜3週間ごとに繰り返し収穫できます。香りが強いぶん虫の被害も葉物のなかでは少なめで、育てやすい部類に入ります。関東と関西で好まれる品種が違うという地域性があるのも、この野菜の特徴です。このページでは、収穫量を最大にする摘み取り方を中心にまとめます。
春菊の栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 春菊 | ● | ◯ | ◎ | ● | ● | ● | ◯ | ◎ | ◎ | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
春菊の育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは摘心して脇芽を伸ばすこと。草丈20cmほどで先端を摘むと、残した葉の付け根から新しい芽が出ます。これを繰り返すことで、1株から何度も収穫できます。
2つめは水の管理を極端にしないこと。春菊は過湿を嫌う一方、根が浅く乾燥にも弱い品目です。土の表面が乾き始めたらたっぷり与え、常時湿った状態にはしないというバランスで管理します。
3つめは秋まきを選ぶこと。春まきは気温上昇で早くとう立ちします。鍋の季節に合わせる意味でも、秋まきのほうが長く収穫できて理にかなっています。
春菊の品種と種まき時期の選び方
葉の形では大葉種(切れ込みが浅く香りが穏やか)と中葉種(標準)があり、関東では中葉、関西では大葉が好まれる傾向があります。香りの強さの好みで選んで構いません。
これとは別に草姿の分類があります。摘み取りで長く収穫したいなら、脇芽が伸びやすい株立ち型を選びます。株張り型は株ごと抜き取る収穫に向いています。袋の説明を確認してください。
種まき適期は温暖地で3〜4月と8〜10月が中心です。発芽適温は15〜20℃で、高温期は発芽が揃いにくくなります。秋まきのほうが安定します。
春菊のプランターのサイズと種まきのやり方
深さ15cm以上、幅60〜65cmの標準的なプランターで4〜6株が目安です。摘み取りながら長く育てるので、株間15cmを確保したうえで容器の面積に合わせて株数を決めてください。詰めると脇芽が伸びるスペースがなくなり、繰り返し収穫の利点が生きません。
春菊は好光性種子なので、覆土はごく薄く、種が隠れる程度にします。厚くかけると発芽率が落ちます。すじまきで条間15〜20cm、発芽が揃いにくいのでやや厚めにまいて間引く方法が確実です。
まいた後は表土を乾かさないよう管理します。発芽まで日数がかかることがあるので、出ないと決めつけず待ってください。
春菊の間引きと摘心のやり方
発芽が揃ったら混み合ったところを間引き、本葉が出てから最終株間15cmに近づけます。間引き菜も食べられるので、段階的に抜いて食卓に回せます。
草丈20〜25cmになったら摘心します。下葉を3〜4枚残して、先端15cmほどを摘み取ってください。残した葉の付け根から脇芽が伸びてきます。
その後は脇芽が15〜20cmに伸びたら、基部に葉を2〜3枚残して摘みます。生育が順調な時期で2〜3週間ごとが目安ですが、気温が下がるともっとかかります。株ごと抜く採り方だと一度で終わるので、長く収穫したいなら摘み取り方式を選んでください。
春菊を畑・地植えで育てる場合
植え付けの2週間前に酸度を調整し、1週間前に堆肥と元肥を入れて耕します。春菊は過湿を嫌うので、水はけの悪い畑では畝を高くすると根の張りが良くなります。
条間15〜20cm、最終株間15cmを目安にすじまきします。地植えは根域が広いぶん株が大きくなり、摘み取りで長く収穫しやすくなります。
秋まきで冬に収穫する作型なら、温暖地では軽い霜には耐えます。強い霜が予想される時期は不織布やトンネルで防寒してください。鍋の時期に合わせて育てると、使い道と収穫期が自然に揃います。
春菊の水やりと根腐れを防ぐ管理
土の表面が乾き始めたら、鉢底から流れるまで与えます。用土をしっかり乾かしきってからでは水切れを起こすので、乾燥させすぎないでください。
一方で常時湿った状態も根を傷めます。受け皿に水を溜めたままにせず、水はけを確保することが大切です。過湿と乾燥の両方を避けるバランスが求められます。
畑では、極端に乾燥するとき以外は水やりを控えても育ちます。プランターは乾きが早いので、天候を見ながら判断してください。
春菊のとう立ちと香りが変わる原因
とう立ちすると中心から花茎が伸び、葉が硬くなって香りも変わります。春から初夏は日が長くなることと気温上昇の両方でとう立ちが進むため、春まきは収穫期間が短くなります。
秋まきなら低温で生育がゆるやかに進み、長期間収穫できます。鍋の需要期と重なるので、家庭菜園としては秋まきが自然な選択です。
香りが強すぎると感じる場合は、若い葉を選んで摘むと穏やかになります。逆に香りを楽しみたいなら、少し大きくしてから収穫するという調整もできます。品種による差も大きく、大葉種のほうが香りは穏やかです。苦手な家族がいる場合は、品種選びの段階から穏やかなものを選んでおくと食卓に出しやすくなります。
春菊につく病害虫と対策
独特の香りのおかげで、虫の被害は葉物のなかでは少ないほうです。ただしアブラムシのほか、ハモグリバエ類、ヨトウムシ類、ネキリムシ類がつくことがあります。少ないと決めつけず、葉裏も見てください。
アブラムシは新芽に集まります。数が少ないうちに手で取るか水で流します。葉に白い筋のような食害跡があればハモグリバエです。
防虫ネットなしでも比較的育ちますが、かけるなら種まき直後からにしてください。被害が出てからかぶせると、中に虫を閉じ込めることになります。農薬を使う場合は、ラベルの適用作物欄に春菊(またはそれを含む作物群)が記載されている製品を規定どおりに使います。
春菊の連作障害と輪作
キク科です。レタスやサンチュ、ゴボウも同じ科なので、続けて作らないほうが安全です。ただしアブラナ科ほど連作障害は出にくい部類に入ります。
プランターなら培養土の入れ替えで対応できます。畑では他の科を挟むと安定します。
秋まきで冬に収穫する作型は、他の野菜と時期がずれるため輪作に組み込みやすい品目です。夏野菜の後作としても使えます。
春菊の株ごと収穫と摘み取り収穫の違い
株ごと引き抜く収穫は、一度にまとまった量が穫れる代わりに、その株はそこで終わりです。鍋用にまとめて必要なときや、株張り型の品種にはこちらが向きます。
摘み取り収穫は、先端を摘んで脇芽を伸ばし、2〜3週間ごとに繰り返す方法です。1回あたりの量は少ないものの、シーズンを通した総収穫量では上回ることが多くなります。
家庭で少しずつ使うなら摘み取り、鍋の日にまとめて使うなら株ごと。株数に余裕があれば、一部を摘み取り用、一部を株ごと用と分けておくと使い勝手が良くなります。
春菊の収穫時期と保存・食べ方
草丈20〜25cmで、下葉を3〜4枚残して先端15cmほどを摘みます。摘んだ部分がそのまま収穫物になるので、作業と収穫が同時に進みます。
香りが飛ぶので加熱は短時間にします。鍋なら食べる直前に入れてください。生でサラダにもでき、そのほうが香りをはっきり楽しめます。
保存は湿らせた紙に包んで冷蔵し、3〜4日を目安に食べ切ります。摘みたての香りは市販品と差が出やすいので、まずは生で一枚試してみてください。
