野菜の育て方一覧 / ミント
ミントの育て方
難易度★☆☆ ・ 初収穫まで約30〜50日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 3月・4月・5月・6月・9月・10月

ミントは家庭菜園で最も丈夫な部類に入るハーブで、1株あれば毎年勝手に増えていきます。育てるうえでの最大の注意点は、栽培の難しさではなく繁殖力の強さです。地下茎で猛烈に広がるため、地植えにすると数年で周囲を占拠します。この一点さえ管理できれば、あとは手のかからない品目です。摘むほど枝分かれして茂るので、こまめに収穫するほど株が充実します。このページでは、増えすぎを抑えながら長く使う方法をまとめます。
ミントの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ミント | ● | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ | ● | ● | ◎ | ◎ | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
ミントの育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは地植えにしないこと。ミントは地下茎で広がり、数年で花壇を占拠します。必ずプランターや鉢で範囲を区切ってください。これがミント栽培で最も重要な注意点です。
2つめは単独で植えること。他のハーブと同じ鉢に寄せ植えすると、ミントが他を駆逐します。1株で十分に広がるので、複数植える必要もありません。
3つめはこまめに摘むこと。切ったところから枝分かれするので、葉や芽を十分に残しながら適度に収穫すると株が茂ります。放置しても葉は増えますが、枝数が少なく背が高くなるだけで、収穫しにくい形になります。
ミントの品種と苗の選び方
スペアミント(料理やモヒート向けで香りが穏やか)とペパーミント(清涼感が強い)が定番です。アップルミントなど香りの違うものも多数あります。用途で選んでください。
種からも育ちますが発芽が不揃いなので、苗から始めるのが確実です。1株あればすぐ増えるので、複数の品種を試したいとき以外は1株で足ります。
植え付け適期は温暖地で3〜6月と9〜10月が中心です。丈夫な品目なので、真夏と真冬を避ければ時期にそれほど神経質になる必要はありません。
ミントのプランターのサイズと植え付け
深さ20cm以上、直径20cm前後の鉢に1株。必ず単独で植えてください。大きな容器に複数植えても、数か月で一株が全体を占めます。
植え付けは根鉢を崩さず浅植えにします。用土は市販の野菜用培養土で問題ありません。水を好むので、鉢が小さいと真夏にすぐ乾きます。
地面に直接置くと、鉢底の穴から地下茎が伸びて外へ広がることがあります。レンガやスタンドの上に置くか、定期的に鉢を持ち上げて確認してください。
ミントの繁殖力を抑える管理
鉢ごと土に埋める方法もありますが、地下茎が排水穴や鉢の縁から外へ伸びることがあります。確実に抑えたいなら、地面から離した鉢植えにしてください。
花壇に植えたい場合は、深さのある仕切り板を埋めるなどの物理的な区切りが必要です。それでも完全に止まるとは限らないので、覚悟のうえで植えてください。
一度広がると、節を持つ地下茎やほふく茎の断片が残るだけで再生します。抜き取るときは、節を含む茎まで丁寧に取り除いてください。半端に抜くとかえって増えます。
ミントの収穫のしかたと株を充実させる切り方
必要なぶんを枝ごと切ります。枝分かれしている節の上で切ると、その節から新しい枝が2本伸びます。1枚ずつ摘むより効率の良い採り方です。
葉や芽を十分に残しながら適度に収穫すると株が茂ります。一度に強く刈り込みすぎると光合成量が減って株が弱るので、加減してください。使わない時期でも、伸びすぎたら切り戻しておくと形が保てます。切った枝は水に挿しておけば発根し、株を増やせます。
夏に花が咲く前が最も香りが強い時期です。花穂が上がってきたら摘み取ると、葉の質を保てます。
ミントの水やりと置き場所
水を好むので乾かさないようにします。ただし丈夫なので、多少の水切れで枯れることはありません。表土が乾いたらたっぷり与えてください。
鉢が小さいと真夏にすぐ乾くので、深めの鉢を使うと管理が楽になります。回数は天候や容器で変わるため、土の状態を見て判断します。
半日陰でも育ちますが、光量が不足すると徒長して葉数が減り、香りも弱くなります。日当たりの良い場所のほうが結果は良くなります。
ミントの香りが弱くなったときの対処
同じ鉢で数年育てると根が詰まり、葉が小さくなって香りも落ちます。これは株の寿命ではなく根詰まりなので、株分けと植え替えで回復します。
肥料の与えすぎでも香りが弱くなることがあります。ハーブ類は適度なストレスがあるほうが香りが立つので、他の野菜より控えめを意識してください。
日照不足も香りに影響します。半日陰でも育ちますが、光が十分にあるほうが香りは強くなります。弱いと感じたら、まず置き場所を見直してください。
ミントにつく病害虫と対策
比較的丈夫ですが、ハダニのほかアブラムシ、ヨトウムシ類、ハマキムシ類がつき、さび病やうどんこ病が出ることもあります。香りが強いからと見回りを省かないでください。
ハダニは高温乾燥時に葉裏で増えます。乾燥させないことが予防になり、葉裏へのシャワーも有効です。
料理に直接使う葉なので、農薬に頼らず物理的に対処するのが基本です。混み合った枝を間引いて風を通すことも予防になります。
ミントの種類ごとの香りの違い
スペアミントは穏やかで甘い香りがあり、料理やモヒートに使いやすい種類です。クセが少ないので、初めて育てるならこちらが扱いやすいでしょう。
ペパーミントは清涼感が強く、ハーブティーやデザートに向きます。スペアミントより香りが立つので、少量でも存在感があります。
アップルミントやパイナップルミントなど、果物の名を持つ種類は香りに特徴があります。複数育てるなら、必ず鉢を分けてください。同じ鉢では強い方が残ります。
ミントの株分けと植え替え
多年草なので、一度植えれば毎年芽が出ます。ただし同じ鉢で数年育てると根が詰まり、葉が小さくなって香りも落ちます。
1〜2年に一度、株分けして植え直すと勢いが戻ります。適期は春か秋。掘り上げて根を分け、新しい土に植えてください。
冬は地上部が枯れることがありますが、根は生きています。春に新しい芽が出るので、枯れたと思って処分しないでください。
ミントを挿し木で増やす方法
切った枝を水に挿しておくと、1〜2週間で根が出ます。発根したら土に植えるだけで新しい株になります。種から育てるより確実で早い増やし方です。
挿す枝は、節が2〜3つ含まれる10〜15cmほどの長さに切ります。水に浸かる部分の葉は落としてください。清潔な容器を使って毎日水を替えると腐りにくくなります。傷んだ部分があれば切り戻します。
ただしミントは放っておいても増える品目です。意図的に増やすのは、品種を分けたいときや、古い株を更新したいときに限るのが現実的です。増やしすぎないことのほうが課題になります。
ミントの保存と食べ方
摘んだらすぐ水に挿しておくと日持ちします。冷蔵する場合は湿らせた紙に包んでください。数日で使い切るのが基本です。
ミントティー、モヒート、デザートの飾りのほか、刻んでヨーグルトやサラダに混ぜても使えます。肉料理の付け合わせにも合います。
乾燥させると香りは落ちるので、生で使うほうが向いています。使い切れないほど採れる品目なので、ハーブティー用に少量ずつ乾燥させるという使い方もあります。
大量に採れたときは、刻んで少量の水と一緒に製氷皿で凍らせておくと、飲みものに落とすだけで使えます。オイルに漬ける場合は、生のハーブを油に入れたものは必ず冷蔵し、数日で使い切ってください。常温や長期の保存は避けます。