野菜の育て方一覧 / ローズマリー
ローズマリーの育て方
難易度★☆☆ ・ 初収穫まで約60〜90日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 3月・4月・5月・9月・10月

ローズマリーは地中海沿岸原産の常緑低木で、一度植えれば数年から十数年育ちます。1年で終わる野菜とは管理の考え方が違い、水のやり方も他の品目とは逆です。他の野菜の感覚で毎日水を与えると根が傷みます。乾燥を好む性質さえ理解すれば、病害虫も比較的少なく手のかからない品目です。年間を通して収穫でき、乾燥保存も効くので、1株あると料理の幅が広がります。
ローズマリーの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ローズマリー | ● | ● | ◯ | ◯ | ◎ | ● | ● | ● | ◎ | ◯ | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
ローズマリーの育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは水をやりすぎないこと。地中海原産で乾燥を好み、過湿で根が傷むのが枯らす最大の原因です。他の野菜と同じ感覚で毎日与えると失敗します。
2つめは水はけを確保すること。水はけの良い用土を使い、受け皿に水を残さないようにします。素焼き鉢のように乾きやすい容器が向きます。
3つめは風通しを保つこと。年々大きくなり、内側が混み合うと蒸れて枯れ込みます。梅雨前に混んだ枝を間引いてください。
ローズマリーの品種と苗の選び方
立性(上に伸びる)と匍匐性(横に垂れる)があります。収穫して料理に使うなら立性が扱いやすく、鉢のふちから垂らして楽しむなら匍匐性が向きます。
種からは発芽が難しく時間もかかるため、苗から始めるのが確実です。枝がしっかりして葉色の濃いものを選んでください。
植え付け適期は温暖地で3〜5月と9〜10月が中心です。真夏と真冬を避ければ、時期にそれほど神経質になる必要はありません。
ローズマリーのプランターのサイズと植え付け
深さ25cm以上、直径24cm(8号)以上の鉢に1株。年々大きくなるので、最初から余裕のある容器を選んでください。植え替えの手間も減ります。
植え付けは根鉢を崩さず浅植えにします。水はけは用土そのもので確保するのが基本で、鉢底石は排水穴を覆う程度で構いません(厚く敷いても用土の排水性は上がらず、根の張れる容積が減ります)。深植えや水はけの悪い状態は根腐れの原因になります。
用土は水はけの良いものを選びます。市販の野菜用培養土は保水性や肥料分が多い製品もあるため、ハーブ用の土を使うか、赤玉土や軽石を混ぜて水はけを上げると安心です。
ローズマリーの水やりの考え方
土の表面が乾いて、内部まで乾き始めたら与えます。他の野菜より頻度は落として構いません。指を土に差し込んで湿り気を確認する方法が確実です。
ただし鉢土を完全に干し上げるのも危険です。植え付け直後や真夏の鉢植えでは、乾かしすぎると株が傷みます。乾燥を好むのであって、水が不要なわけではありません。
梅雨時は雨の当たらない場所に移せると安心です。鉢植えなら移動できるのが利点になります。受け皿に水を溜めたままにしないでください。
ローズマリーの立性と匍匐性の使い分け
立性は上に向かって伸びるタイプで、収穫して料理に使うならこちらが扱いやすくなります。枝を切りやすく、量もまとまって採れます。
匍匐性は横に広がって垂れるタイプです。鉢のふちから垂らしたり、花壇の縁に植えたりと観賞価値が高く、グランドカバーとしても使われます。
どちらも料理には使えますが、収穫のしやすさでは立性に分があります。最初の1株なら立性、見た目も楽しみたいなら匍匐性という選び方ができます。
ローズマリーの剪定と樹形の保ち方
年々大きくなり、放置すると内側が混み合って蒸れます。梅雨前に混んだ枝を間引いて風を通してください。この作業が株を長持ちさせます。
収穫を兼ねて枝先を切ると、そこから枝分かれして茂ります。こまめに切るほど形が整い、使いやすい大きさに保てます。
木質化した古い枝を強く切り戻すと、そこから芽が出ないことがあります。緑色の若い枝を中心に切り、古い幹は残すのが安全です。
ローズマリーを枯らしてしまう典型パターン
最も多いのが水のやりすぎです。他の野菜と一緒に毎日水をやっていると、根が呼吸できずに傷みます。葉が茶色くなって落ちる症状は水切れや寒害、根詰まりでも起きるので、鉢土が長く湿っていないか、根が褐変して柔らかくないかも確認して判断してください。
次に多いのが蒸れです。梅雨時に内側が混み合ったまま雨に当たり続けると、株の中心から枯れ込みます。剪定で風を通しておくことが予防になります。
逆に、鉢土を完全に干し上げてしまう失敗もあります。乾燥を好むといっても水が不要なわけではありません。真夏の鉢植えは特に、乾かしすぎに注意してください。
ローズマリーの肥料と土の考え方
肥料はほとんど必要ありません。多肥では軟弱に育ち、香りも弱くなります。肥沃な土なら無肥料か少量で植え付け、追肥も生育を見ながら判断してください。
他の野菜と同じ感覚で元肥をたっぷり入れると、かえって調子を崩します。ハーブ類は控えめが基本です。
土は水はけが最優先です。酸度は弱アルカリ性寄りを好むとされますが、家庭菜園では極端に酸性でなければ問題になりにくいでしょう。
ローズマリーを室内で育てる場合
室内でも育てられますが、光量と風通しが不足しやすく、徒長や蒸れの原因になります。基本は屋外の日当たりと風通しの良い場所に置き、少なくとも半日は日が当たる環境を確保してください。使うときだけ取り込むという運用が確実です。
冬の寒冷地で屋外が厳しい場合は、明るい窓辺に取り込みます。ただし暖房の風が直接当たる場所は乾燥しすぎるので避けてください。
室内では風が通らないぶん、ハダニやカイガラムシが増えやすくなります。ときどき葉裏を確認し、枝が混んできたら間引いてください。
ローズマリーにつく病害虫と対策
比較的丈夫ですが、ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ、ベニフキノメイガなどがつき、うどんこ病が出ることもあります。香りが強いからと見回りを省かないでください。
ベニフキノメイガの幼虫は枝先に糸を張って葉を食べます。枝先が糸で綴られていたら、その部分を切り取ってください。
過湿と蒸れによる根腐れ・立ち枯れのほうが起きやすい品目です。剪定で風を通し、水はけを保つことが最大の予防になります。
ローズマリーの冬越しと挿し木での増やし方
寒さには比較的強く、温暖地では屋外で冬越しできます。ただし極端な寒冷地では防寒が必要です。鉢植えなら軒下に移すと安心です。
挿し木で簡単に増やせます。10cmほどの若い枝を切り、下の葉を落として水に挿すか、清潔な土に挿しておくと発根します。
数年育てると株が大きくなりすぎることがあります。挿し木で若い株を作っておくと、更新したいときにすぐ切り替えられます。
挿し木の適期は春か秋です。真夏や真冬は発根しにくいので避けてください。発根までは1か月ほどかかることもあるので、焦らず待つのがコツです。
ローズマリーの収穫と保存・食べ方
必要なぶんを枝先から切ります。木質化した古い枝ではなく、緑色の若い枝を切ってください。年間を通して収穫できます。
枝ごと肉や魚に乗せて焼くと香りが移ります。じゃがいもと一緒にローストするのも定番です。香りが強いので、量は控えめから試してください。
乾燥保存が効くハーブです。切った枝を束ねて風通しの良い場所に吊るしておけば長く使えます。生と乾燥で香りの強さが違うので、使う量は加減してください。
枝から葉をしごき落として保存すると場所を取りません。密閉容器に入れて冷暗所に置けば、次のシーズンまで使えます。オイルに漬けて香りを移す場合は、十分に乾燥させた葉を使い、清潔な容器で作って冷蔵し、早めに使い切ってください。生の枝を油に漬けたものを常温で置くのは、ボツリヌス食中毒の危険があるため避けます。