野菜の育て方一覧 / キュウリ
キュウリの育て方
難易度★★★ ・ 初収穫まで約50〜70日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 4月・5月・6月

キュウリは生育が速く、条件が合えば1株から20〜30本穫れる一方、家庭菜園のなかでは手間の総量が上位に入る品目です。理由は「水切れに弱い」「つるの伸びが速く誘引が追いつかない」「うどんこ病が出やすい」の3つ。逆に言えば、この3つに対処できれば夏の間ずっと収穫が続きます。このページでは、苗の植え付けから収穫までの流れを、プランターと畑の両方についてまとめます。
キュウリの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| キュウリ | ◯ | ◯ | ◎ | ● | ● | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
キュウリの育て方 家庭菜園の初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは水切れをさせないこと。キュウリの根は深く伸びず、地表近くに浅く広がります。そのため乾燥に極端に弱く、一度でも水を切らすと、その後に採れる実が曲がったり細くなったりします。真夏のプランターは朝夕2回が基本です。
2つめはつるを放置しないこと。キュウリは1日で数十センチ伸びることがあり、放っておくと絡まって折れます。週に2回はネットや支柱への誘引を見てください。伸びてから直そうとすると茎が硬くなっていて折れます。
3つめは下葉を整理すること。うどんこ病は下のほうの葉から出ます。傷んだ葉を早めに取り除いて風を通せば、株全体への広がりを遅らせられます。この3つを習慣にできれば、初心者でも十分な収穫が見込めます。
キュウリの苗の選び方と植え付け時期・植え方・株間
植え付け適期は温暖地で4〜6月、遅霜の心配がなくなってからです。キュウリは低温に弱く、早植えしても生育が進まないばかりか、そのまま弱ってしまうことがあります。気温が安定してからのほうが結果的に早く穫れます。
良い苗の条件は、本葉が3〜4枚で節間が詰まっていること、子葉(双葉)がまだ残っていること、葉色が濃く厚みがあることです。徒長してひょろ長い苗や、すでに花がついている苗は避けます。子葉が残っている苗は根の状態が良い目安になります。
つる割病などの土壌病害に強い接ぎ木苗も出回っています。少し高価ですが、連作した畑や病気を出したことがある場所では明確に有利です。ただし接ぎ木で強くなるのは主に根から入る病気で、葉に出るうどんこ病への強さは穂木の品種次第です。うどんこ病を避けたいなら耐病性品種を選んでください。植え付けは根鉢を崩さず、浅めに植えて、たっぷり水を与えます。
キュウリのプランター栽培 サイズと支柱の立て方
深さ30cm以上、容量15L以上の容器に1株が原則です。根は深さより横に広がるため、深型より幅と土量のあるものが向きます。標準的な65cmプランターなら1株、詰めても2株までにしてください。
つるは2m以上伸びるので、支柱かネットを植え付けと同時に用意します。後から立てると根を傷めます。ベランダなら、手すりに固定できるタイプのネットが扱いやすく、風で煽られないよう下端も留めておくと安心です。
プランターは土の量が限られるぶん、地植えより水と肥料が切れやすくなります。表土にわらやバークチップを敷くと乾燥を大きく抑えられます。夏に留守にする予定があるなら、給水器の用意を含めて計画しておいてください。
キュウリの育て方 畑・地植えと地這い栽培
畑ではまず連作に注意します。キュウリはウリ科で、カボチャ・スイカ・ゴーヤ・メロンも同じ科です。これらを2〜3年以内に育てた場所ではつる割病のリスクが上がるため、場所を変えるか接ぎ木苗を使ってください。
植え付けの2週間前に苦土石灰で酸度を調整し、1週間前に堆肥と元肥を入れて畝を立てます。株間は50〜60cm。水はけの悪い畑では高畝にします。黒マルチを張ると地温確保と乾燥防止、泥はねによる病気の予防まで一度にできます。
地植えは根域が広いぶん株の勢いが強く、収穫量も期間もプランターより伸びます。一方でつるの伸びも速いので、誘引の頻度は落とさないでください。畑が自宅から遠い場合は、保水力を高める完熟堆肥を多めに入れておくと水やりの間隔を延ばせます。
キュウリの摘心と整枝 つるの誘引のやり方
支柱やネットを使う立体栽培では、親づる(最初に伸びる主枝)を支柱の上まで伸ばし、20〜25節前後で摘心します。株元から5〜6節目までに出た雌花と子づるは早めに取り除き、株を育てることを優先します。地這い栽培では親づるを早めに摘心して子づるを伸ばす仕立てになるので、手順が変わります。
6節目より上の子づるは、葉を1〜2枚残して摘心します。こうすると子づるに実がつきながら、親づるの伸長も続きます。初期に実をつけさせると株が消耗してその後の収穫量が落ちるので、株元近くの実を摘むのはもったいなく感じますが我慢どころです。整枝の方法は品種や仕立て方で変わるので、種袋や苗のラベルの説明も確認してください。
誘引は8の字にゆるく結びます。茎は成長して太くなるので、きつく縛ると食い込んで折れます。つるは自分で巻きひげを出して絡みますが、方向は決められないので、伸びたい方向へ人の手で導いてやるイメージです。
キュウリが曲がる・苦くなる原因と対策
曲がった実(曲がり果)の主な原因は水切れと肥料切れ、そして株の疲れです。実がふくらむ時期に水が不足すると、まっすぐ伸びる力が足りず曲がります。形が悪くても味は変わらないので食べられますが、頻発するようなら水やりと追肥の間隔を見直してください。
実が細く先細りになるのも同じ原因です。加えて、株が実を多くつけすぎて疲れている場合もあります。採り遅れた大きな実を1本つけたままにするだけで、株の消耗はかなり大きくなります。早めに収穫することが、次の実を良くする最も効く手当てです。
苦味の正体はククルビタシンという成分で、高温や乾燥、肥料の偏りといったストレスで増えやすくなります。ヘタに近い部分に出やすいので、わずかな苦味ならヘタ側を厚めに切り落とすと食べやすくなります。ただし口に入れて強い苦味を感じたものは飲み込まず、その実は食べないでください。ククルビタシンが多い実は嘔吐や下痢を起こすことがあり、苦い部分を切り落とせば安全とは限りません。日常的に水を切らさないことが最大の予防です。
キュウリのうどんこ病・べと病と害虫対策
うどんこ病は葉の表面に白い粉をまぶしたような症状が出ます。キュウリでは出やすい病気で、耐病性品種でなければ完全に防ぐより「遅らせて収穫期を伸ばす」発想が現実的です。発生した葉は早めに取り除き、株元の風通しを確保してください。
べと病は葉に黄色い角ばった斑点が出て、葉裏に灰色のかびが見えます。多湿と窒素過多で出やすいため、雨よけと肥料の調整が予防になります。どちらの病気も下葉から出るので、下から順に葉を整理していく管理が有効です。
害虫ではウリハムシが代表格です。オレンジ色の小さな甲虫で、葉を丸くかじります。苗が小さい時期に集中して食害されると致命傷になるため、植え付け直後は行灯(あんどん)や不織布で覆って守ります。アブラムシとハダニは葉裏に出るので、葉裏への水かけが予防になります。
キュウリの水やりと追肥
水やりは朝が基本です。真夏で乾きが激しいときは夕方にもう一度与えます。夜間に葉が濡れたままだと病気が出やすいので、夕方の水やりは株元に与えて葉にかけないようにしてください。
追肥は最初の実を収穫したころから始め、2〜3週間に1回のペースで与えます。キュウリは収穫期間が長く、その間ずっと実をつけ続けるため、肥料切れが起きやすい品目です。葉の色が薄くなってきたら肥料切れのサインです。
ただし窒素が多すぎると、つるばかり茂って実つきが悪くなります。規定量を守り、迷ったら少なめから始めて様子を見てください。プランターでは水やりのたびに肥料分が流れ出るので、地植えより追肥の頻度を上げる必要があります。
キュウリの収穫時期と採り遅れを防ぐコツ
開花から7〜10日、長さ20cm前後が収穫の目安です。キュウリの生育速度は家庭菜園の野菜のなかでも突出していて、1日で一気に太ります。朝に「まだ小さい」と思った実が、夕方には採りごろを過ぎていることも珍しくありません。
採り遅れた大きな実は味が落ちるだけでなく、株を大きく消耗させます。見つけたら食べられなくても取り除いてください。そのほうが結果的に総収穫量は増えます。夏の最盛期は毎日の見回りが前提の品目です。
収穫は朝の涼しい時間に、ハサミでヘタを切ります。採りたては皮のイボが痛いほど立っていて、それが鮮度の証拠です。保存は冷やしすぎると水っぽくなるので野菜室へ。採れすぎたら塩もみ、浅漬け、ピクルスで消費できます。「いつ植えて、いつ何本採れたか」をMinologに記録しておくと、来年の株数の判断材料になります。