野菜の育て方一覧 / 空心菜
空心菜の育て方
難易度★☆☆ ・ 初収穫まで約30〜50日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 5月・6月・7月

空心菜(エンサイ、ヨウサイ)は東南アジア原産の葉物で、日本の真夏にもっとも旺盛に育ちます。茎の中が空洞になっていることから空心菜と呼ばれ、炒めたときのシャキシャキした食感が持ち味です。原産地では水辺で育つ植物なので、他の野菜と違って水をたっぷり与えて構いません。受け皿に水を溜めても根腐れしにくい、めずらしい品目です。夏の葉物が枯れる時期の主力になります。
空心菜の栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 空心菜 | ◯ | ◎ | ◎ | ● | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
空心菜の育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは水を切らさないこと。水辺の植物なので乾燥に弱く、水をたっぷり与えるほどよく茂ります。他の野菜より多めを意識してください。
2つめは気温が上がってから始めること。発芽適温は25℃前後と高く、低温では生育が進みません。5〜7月が種まきの適期です。
3つめは摘み取って脇芽を増やすこと。先端を摘むと脇から次々に芽が伸びます。摘むほど茂るタイプなので、こまめに収穫するほど収穫量が増えます。
空心菜の品種と種まき時期
エンサイ、空芯菜、ヨウサイと呼ばれるものはすべて同じ植物です。葉が細い系統と広い系統があり、畑で育てやすいものと水湿地への適応が強いものなど、栽培環境への適性には差があります。
種まき適期は温暖地で5〜7月です。真夏に旺盛に育つので、他の野菜より遅めのスタートで構いません。低温期にまいても発芽が揃いません。
種皮が硬いので、一晩水に浸してからまくと発芽が揃います。この一手間で発芽率がはっきり変わります。
空心菜のプランターのサイズと種まきのやり方
深さ20cm以上、幅60〜65cmの標準的なプランターで3〜4株が目安です。水を大量に必要とするので、容器は大きいほど管理が楽になります。
覆土1cm、株間20〜25cm。まいた後はたっぷり水を与えます。発芽まで乾かさないようにしてください。
挿し芽でも簡単に増やせます。収穫した茎を土に挿しておくと根が出るので、株数を増やしたいときに使えます。
空心菜を畑・地植えで育てる場合
植え付けの2週間前に酸度を調整し、1週間前に堆肥と元肥を入れて耕します。株間20〜25cm。水を好むので、水はけが良すぎる場所より、やや保水性のある場所が向きます。
ヒルガオ科でサツマイモと同じ科です。連作障害は出にくい品目で、真夏に旺盛に育つため、他の野菜が難しい時期の輪作に組み込みやすくなります。
地植えでは畑の水やりが追いつかないこともあります。敷きわらやマルチで乾燥を抑えると、収穫量が安定します。
空心菜の水やりと日常管理
この品目だけは水をたっぷり与えて構いません。受け皿に水を溜めても根腐れしにくく、むしろ乾かすほうが問題になります。真夏は朝夕2回でも多すぎることはありません。
腰水(受け皿に水を張ったままにする)で管理する方法もあります。ただし水が腐らないよう、暑い時期は定期的に入れ替えてください。
追肥は収穫が始まったら2〜3週間に1回程度。摘み取りを繰り返すと養分の消耗が大きくなるので、葉の色が薄くなったら補ってください。
空心菜の摘み取りと収穫量を増やす育て方
草丈30cmほどになったら、先端15〜20cmを摘み取ります。摘んだ位置の下から脇芽が伸び、次々に収穫できるようになります。
摘むほど茂るタイプなので、こまめに収穫するほど株が充実します。放置して伸ばすと茎が硬くなり、食べられる部分が減ります。
夏の間、繰り返し収穫できます。1株からかなりの量が穫れるので、家庭で使うぶんには数株もあれば足ります。
空心菜が夏の菜園で主力になる理由
日本の夏はレタスやほうれん草などの葉物にとって過酷で、多くはとう立ちするか枯れてしまいます。その時期に旺盛に育つ葉物は限られており、空心菜はその代表格です。
同じく夏に強いモロヘイヤと組み合わせると、真夏でも葉物を切らさずに済みます。空心菜はシャキシャキした食感、モロヘイヤは粘りと、性質が違うので使い分けもできます。
春の葉物を片づけた後の空いた容器や畝に、そのまま差し込める点も利点です。夏のあいだ場所を遊ばせずに使い切れるので、限られたスペースの家庭菜園では特に価値があります。
空心菜につく病害虫と対策
高温期に丈夫で被害は少ないほうですが、アブラムシ、ハダニのほかヨトウムシ類が葉を大きく食害することがあります。少ないと決めつけず葉裏も見てください。
真夏に元気な数少ない葉物なので、虫の多い時期でも比較的育てやすい部類に入ります。株が大きくなれば多少の食害では負けません。
農薬を使う場合は、ラベルの適用作物欄に空心菜(またはそれを含む作物群)が記載されている製品を規定どおりに使ってください。収穫を繰り返すので収穫前日数の確認が大切です。
空心菜を腰水で育てる方法
水辺の植物なので、受け皿に水を張ったままにする腰水管理ができます。真夏に毎日水やりできない場合、この方法だと水切れを防げます。
他の野菜で腰水にすると根腐れしますが、空心菜は例外的にこの管理に耐えます。ただし水が腐らないよう、暑い時期は数日おきに入れ替えてください。
腰水にすると生育がさらに旺盛になり、収穫量も増えます。真夏の水やりの負担を減らしたい人には向いた管理方法です。
空心菜のシーズンの終わりと冬の扱い
低温に弱く、気温が下がると一気に生育が止まります。秋の訪れとともに終わる、夏専用の葉物と考えてください。
気温が下がってきたら、残っている柔らかい部分をまとめて収穫して使い切ります。無理に引っ張っても品質は上がりません。
低温に弱く、通常の露地栽培では冬越しが難しい品目です。翌春に種をまき直すのが確実で、1袋でかなりの株数がまけます。
空心菜を挿し芽で増やす方法
収穫した茎を土に挿しておくと、数日から1週間ほどで根が出ます。種をまき直さなくても株を増やせるので、収穫量を増やしたいときに使えます。
挿す茎は、節が2〜3つ含まれる15cmほどの長さに切ります。下の方の葉を落とし、節が土に埋まるように挿してください。挿した後は乾かさないように管理します。
水に挿しておくだけでも発根します。キッチンで発根させてから土に植えるほうが、状態を確認できて確実です。夏の間に何度も増やせるので、1袋の種でひと夏まかなえます。
空心菜の保存と食べ方
茎の中が空洞で、炒めるとシャキシャキした食感が残ります。にんにくと炒めるのが定番の使い方です。加熱は短時間で、しんなりさせすぎないのがコツです。
摘んだ先端の柔らかい部分が最もおいしく食べられます。硬い茎は食感が悪いので、無理に使わず柔らかい部分だけを収穫してください。
保存は湿らせた紙に包んで冷蔵し、2〜3日で食べ切ります。夏場は傷みが早いので、必要なぶんだけ摘むのがいちばんおいしい食べ方です。
茎と葉で火の通り方が違うので、炒めるときは茎から先に入れると仕上がりが揃います。茎の空洞に味が入りやすく、調味料をよく吸うのも特徴です。中華風の炒め物だけでなく、おひたしやスープにも使えます。
