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ナスの育て方

難易度★★★ ・ 初収穫まで約60〜90日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 4月・5月

ナスの写真
写真: Wikimedia Commons / Horst Frank / CC BY-SA 3.0

ナスは「水で作る」と言われるほど水と肥料を必要とする野菜です。裏を返せば、そこさえ外さなければ長く穫れます。さらに夏の途中で枝を切り戻す「更新剪定」を行えば、秋まで収穫期間が伸びます。この一手間で収穫期間を秋まで伸ばせるのがナスの特徴です。このページでは、苗選びから更新剪定、秋ナスまでの流れをまとめます。

ナスの栽培カレンダー

地域
品目ごとの植え付け時期と収穫時期
品目12345678910(今月)1112
ナス◯◯●●●●
◯ 植えどき● 収穫できるころ◎ 両方

中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。

ナスを植えられる月(中間地の目安)

月別の一覧(1〜12月)を見る →

ナスの育て方 家庭菜園の初心者が最初におさえる3つのポイント

1つめは水を切らさないこと。ナスは野菜のなかでも特に水を必要とし、乾燥させると実が硬くつやを失う「ボケナス」になります。真夏のプランターは朝夕2回になることもあります。敷きわらやマルチで乾燥を抑えると管理がぐっと楽になります。

2つめは肥料を切らさないこと(ただし与えすぎないこと)。収穫期間が長いぶん、途中で肥料が尽きると花が咲かなくなります。2〜3週間に1回の追肥を、収穫が始まったら習慣にしてください。花の中心の雌しべが短くなってきたら肥料切れのサインです。

3つめは接ぎ木苗を選ぶこと。ナスは連作障害と土壌病害に弱く、家庭菜園の限られた場所では場所を変えきれないことが多いためです。少し高価ですが、初年度から安定して穫りたいなら最も費用対効果の高い選択です。

ナスの苗の選び方と植え付け時期・植え方

植え付け適期は温暖地で4〜5月、遅霜がなくなってからです。ナスは高温を好み、低温では生育が止まります。気温が十分に上がるまで待つほうが、早植えして寒さで弱らせるより結果が良くなります。

良い苗は、本葉が7〜8枚あり、茎が太くがっしりしていて、一番花のつぼみが見えているものです。葉色が濃く、葉の厚みがあるものを選んでください。徒長した苗、下葉が黄色い苗、根が鉢底から回りすぎている苗は避けます。

接ぎ木苗を植えるときは、接ぎ木部分(茎の途中にある継ぎ目)を土に埋めないでください。埋めると穂木から根が出てしまい、台木の病気に強い性質が失われます。浅植えにして、株元がわずかに高くなるようにします。

ナスのプランター栽培 プランターの大きさ・支柱・置き場所

深さ30cm以上、容量20L以上の大型プランターに1株が原則です。ナスは家庭菜園のなかで最も容器サイズが結果に出る品目で、小さい容器では真夏に水切れを繰り返し、実が硬くなります。迷ったら大きいほうを選んでください。

置き場所は1日6時間以上の直射日光が当たるところ。ベランダではエアコン室外機の熱風が直接当たらない位置を選び、コンクリートの照り返しが強い場所ではすのこなどで底上げすると株の消耗を抑えられます。

支柱は植え付けと同時に立てます。ナスは実が重く、枝が横に張るため、風で倒れやすくなります。仮支柱で株元を固定し、生育に合わせて本支柱に切り替えると安定します。プランターは倒れにくい重さと形のものを選んでください。

ナスの育て方 畑・地植えの株間と連作障害

ナスはナス科で、トマト・ピーマン・シシトウ・ジャガイモも同じ科です。これらを3〜4年以内に育てた場所は避けてください。連作障害が特に強く出る品目で、半身萎凋病や青枯病が発生すると、その年の収穫はほぼ諦めることになります。

植え付けの2週間前に苦土石灰で酸度調整、1週間前に堆肥と元肥をたっぷり入れて畝を立てます。ナスは肥料の要求量が多い品目ですが、入れすぎると肥料焼けや過繁茂を招きます。土の状態を見ながら、標準より少し多め程度にとどめてください。株間は50〜60cmと広く取り、日照と風通しを確保します。

場所を変えられない場合は接ぎ木苗が現実的な解になります。台木が病気に強い品種なので、連作の制約をある程度緩められます。それでも毎年同じ場所を使い続けるのは避け、可能な範囲で輪作を組んでください。

ナスの仕立て方 三本仕立てと支柱の立て方・誘引

基本は三本仕立てです。一番花(最初の花)のすぐ下から出る勢いの良い脇芽2本と、主枝の合わせて3本を残し、それより下の脇芽はすべてかき取ります。この整理をすると風通しと日当たりが確保され、実つきが安定します。

残した3本はそれぞれに支柱を立てて誘引します。実の重みで枝が下がるため、支柱は放射状に開いて立てると枝が広がりやすくなります。紐は8の字にゆるく結び、茎が太くなる余地を残してください。

生育中に出てくる新しい脇芽は、放置すると枝が混み合って内部が暗くなります。混んできたら適宜整理しますが、葉は光合成の工場でもあるので取りすぎは禁物です。株の内部に光が届く程度を目安にしてください。

ナスの剪定 更新剪定で秋ナスを穫る方法

7月下旬から8月上旬になると、株が疲れて実つきが落ち、実も小さく硬くなります。ここで枝を切り戻して株を若返らせるのが「更新剪定」です。株が疲れているときほど効果の大きい作業です。逆に株がまだ元気なら、無理に切らず収穫を続けるほうが穫れることもあります。

やり方は、各枝を1/2から1/3の長さに切り詰めます。思い切って切って構いません。同時に株元から30cmほど離れたところにスコップを入れて根を切り(根切り)、そこに追肥と水を与えます。新しい根と枝が出るのを促す作業です。

剪定後は2〜3週間ほど収穫が止まりますが、9月以降に新しい枝から柔らかい実がつきます。これが「秋ナス」です。皮が薄く味が濃いので、この時期を狙う価値は十分にあります。剪定は晴れた日に行い、切り口を乾かしてください。

ナスの水やりと追肥 実が硬い・つやがない原因と対策

つやがなく皮が硬い実は「ボケナス」と呼ばれ、最も多い原因は水不足です。収穫遅れ、株の老化、着果過多、肥料不足、根傷み、高温でも起こります。ナスは実の90%以上が水分で、土の水が足りないと実に回りません。長く乾かしてから一気に与えるより、土の乾きを見て一定のリズムで与えるほうが品質は安定します。必要な量は天候・土質・容器か地植えかで変わります。

次に多い原因が肥料切れです。収穫が続くと株は急速に養分を消耗します。花を見れば分かり、中心の雌しべが雄しべより短い花(短花柱花)が増えたら株の調子が落ちているサインです。肥料不足のほか、水不足、高温・低温、日照不足、根傷みでも起きます。雌しべが長い状態が健康な花です。

株の疲れも原因になります。実を大きくしすぎず若採りすることで、株の消耗を抑えられます。それでも夏の盛りには勢いが落ちるので、そこで更新剪定に切り替えるのが定石です。

ナスの病害虫対策

ハダニは高温乾燥期に葉裏で増え、葉が白くかすれて元気がなくなります。乾燥させないことが最大の予防で、葉裏へのシャワーが有効です。アブラムシは新芽に集まり、見つけ次第取り除きます。

テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)は葉を網目状に食害します。テントウムシに似ていますが背中に星が多く、光沢がありません。見つけたら捕殺します。アザミウマは実の表面にかすり傷のような痕を残します。

半身萎凋病は株の片側だけ葉が黄色くなってしおれる土壌病害で、発生すると回復は困難です。接ぎ木苗と輪作が予防の柱になります。農薬を使う場合は、ナスに登録のある製品をラベルの規定どおりに、収穫前日数を確認して使ってください。

ナスの収穫時期と保存・食べ方

開花から20〜25日、中長ナスなら長さ12〜15cmが収穫の目安です。大きくしすぎると種が硬くなり、株の消耗も大きくなります。若採りするほど次の実がつきやすく、結果的に総収穫量は増えます。

収穫はヘタの上をハサミで切ります。ヘタにはトゲがあるので手袋があると安全です。朝の涼しい時間に採ると実が締まっています。一番果(最初の実)は特に早め、小さいうちに採ると株の生育が進みます。

採りたては皮が薄くアクが少ないので、水にさらす時間は短くて構いません。油との相性が良く、素揚げや焼きナスにすると家庭菜園ならではの味の違いがよく分かります。冷蔵庫では低温障害を起こすので、常温か野菜室で保存してください。収穫日と更新剪定の日をMinologに記録しておくと、来年の剪定タイミングの判断に使えます。

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