野菜の育て方一覧 / パクチー
パクチーの育て方
難易度★★☆ ・ 初収穫まで約40〜60日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 3月・4月・9月・10月

パクチー(コリアンダー、香菜)は独特の香りで好みが分かれる一方、好きな人にとっては買うと高くつく野菜です。家庭で育てれば必要なぶんだけ摘めます。育てるうえでの要点は、セリ科の直根性という性質を理解することです。根がまっすぐ下に伸びるため移植を嫌い、育てる場所に直接まくのが手軽になります。発芽まで2週間前後かかるので、待つ心構えも必要です。このページでは、種まきから収穫までをまとめます。
パクチーの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| パクチー | ● | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ◯ | ◯ | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
パクチーの育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは直まきが手軽なこと。セリ科で直根性のため、根を傷めると生育が停滞しやすくなります。育てる容器や場所に直接まくのがいちばん簡単ですが、若苗を根鉢を崩さず定植する方法でも育てられます。
2つめは発芽を待つこと。2週間前後かかることがあり、出ないと諦めてしまうのがよくある失敗です。その間、土の表面を乾かさないようにしてください。
3つめはとう立ちを前提にすること。高温と長日で花茎が伸び、葉の収穫期間が終わります。秋まきのほうが長く穫れるので、葉を目当てにするなら秋が向きます。
パクチーの品種と種まき時期の選び方
葉を採るならリーフ用(葉が大きく、とう立ちが比較的遅い)が向きます。パクチー・コリアンダー・香菜はすべて同じ植物の別名なので、名前の違いで迷う必要はありません。
種まき適期は温暖地で3〜4月と9〜10月が中心です。高温と長日でとう立ちしやすいため、春より秋まきのほうが収穫期間が長くなります。
種は2つに割れる殻に入っています。軽く割ってからまくと発芽が揃いやすくなります。一晩水に浸すのも有効です。
パクチーのプランターのサイズと種まきのやり方
株を十分に育てるなら深さ20cm以上がほしいところです。幅60〜65cmの標準的なプランターで4〜5株が目安。浅い容器では若採り向きになります。
覆土1cm、株間15〜20cm。直まきなら1か所に数粒まいて、本葉が出たら生育の良いものを残します。移植を嫌うので、育てる場所に直接まくのが確実です。
発芽まで2週間前後かかることがあります。この間の水切れが最も多い失敗要因なので、土の表面を乾かさないよう気をつけてください。
パクチーの水やりと日常管理
表土が乾いたら株元にたっぷり与えます。直根性で深く根を張るため、浅く頻繁に与えるより、乾いてからしっかり与えるほうが根が育ちます。
回数は天候や容器の大きさで変わります。発芽までと高温期は特に乾きやすいので、決めうちにせず土の状態を見て判断してください。
過湿は立ち枯れの原因になります。受け皿に水を溜めたままにせず、水はけを確保してください。
パクチーの収穫のしかたと長く穫るコツ
草丈20cm以上になったら、外側の葉から摘み取ります。株ごと抜かず外葉かき取りにすれば、中心から新しい葉が伸びて長く収穫できます。
一度に取りすぎず、中心の若い葉は残してください。常に数枚残す感覚で採ると株が消耗しません。
とう立ちが始まると葉が硬くなります。その前になるべく収穫しておくと無駄になりません。少量ずつ時期をずらしてまくのも有効です。
パクチーのとう立ちと種(コリアンダーシード)の採り方
高温と長日でとう立ちします。花茎が伸びて白い小さな花が咲くと、葉の収穫は終わりに近づきます。春まきは特に早くとう立ちします。
花が終わると実がつきます。これがコリアンダーシードで、スパイスとして使えます。開花直後はまだ未熟なので、実が茶色く成熟してから採ってください。
採種した種は、乾燥させて保存すればスパイスにも翌年の種にも使えます。葉とは香りがまったく違うので、別の楽しみとして扱えます。
パクチーの葉が細くなる・香りが弱い原因
とう立ちが始まると、葉の形が細かく切れ込んだものに変わっていきます。これは花を咲かせる準備に入ったサインで、同時に葉が硬くなります。品種や管理の問題ではありません。
葉が小さいまま育たない場合は、根が傷んでいる可能性があります。移植したり、間引きで隣の株の根を動かしたりすると、直根性のパクチーは生育が止まります。
香りが弱いと感じるときは、日照不足か、株が若すぎるかのどちらかが多くなります。ある程度育ってからのほうが香りは強くなるので、極端な若採りは避けてください。
パクチーにつく病害虫と対策
香りが強いため害虫は少なめですが、キアゲハの幼虫がつくことがあります。セリ科を好む虫なので、見つけたら取り除いてください。
アブラムシが新芽につくこともあります。数が少ないうちに手で取るか水で流します。過湿による立ち枯れのほうが起きやすい品目です。
生で食べることが多い葉なので、農薬に頼らず物理的に対処するのが基本です。使う場合は、ラベルの適用作物欄にパクチー(またはそれを含む作物群)が記載されている製品を規定どおりに。
パクチーを室内やベランダで育てる場合
使う頻度が高い薬味なので、キッチンから近い場所に置けると便利です。日当たりの良いベランダなら問題なく育ちます。
室内の窓辺でも育てられますが、光量が落ちると徒長して香りが弱くなります。日中は屋外に出せると結果が良くなります。
直根性で移植を嫌うため、置き場所は最初に決めてください。育ってから鉢ごと移動するのは問題ありませんが、株を植え替えるのは避けます。
パクチーの連作障害と輪作
セリ科です。ニンジンやパセリ、セロリも同じ科なので、続けて作らないようにします。
直根性で移植を嫌うため、輪作の計画は「どこにまくか」を先に決めてから立てるのが実際的です。育て始めてから場所を変えるのが難しい品目です。
プランターなら培養土の入れ替えで対応できます。生育期間がそれほど長くないので、同じ容器で年に複数回作ることもできます。
パクチーを長く収穫するずらしまき
とう立ちすると葉の収穫が終わるため、1回にまとめてまくと収穫期間が短くなります。2〜3週間ずらして少量ずつまくと、途切れずに使えます。
秋まきは気温が下がっていくぶんとう立ちが遅く、春まきより長く穫れます。葉を目当てにするなら、秋を主軸にして春は補助と考えるとよいでしょう。
容器を2つ用意して交互にまく方法が扱いやすいでしょう。1つ目がとう立ちを始めたら、2つ目が収穫期に入っているという流れを作れます。
パクチーの保存と食べ方
香りが命なので、加熱料理には仕上げに加えます。長く煮ると香りが飛びます。生のままトッピングに使うのが最も香りを楽しめる方法です。
根の部分も香りが強く、スープの出汁に使えます。タイ料理では根を使うことが多いので、捨てずに活用してください。
保存は水を入れたコップに挿して冷蔵庫へ入れると1週間ほど持ちます。刻んで冷凍もできますが、香りは生には劣ります。
好みが分かれる香りですが、独特の香気成分は熱に弱く、加熱すると穏やかになります。苦手な家族がいる場合は、仕上げに散らすのではなく炒め物に入れて火を通すと食べやすくなることがあります。まずは少量から試してみてください。