野菜の育て方一覧 / 小松菜
小松菜の育て方
難易度★☆☆ ・ 初収穫まで約30〜50日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 3月・4月・5月・8月・9月・10月・11月

小松菜は生育が早く丈夫で、春から秋まで長期間まける、家庭菜園の主力になる葉物です。種をまいてから30〜50日で穫れ、初心者でも失敗しにくい品目です。ただし虫の被害が集中する品目でもあり、無防備に育てると葉が穴だらけになります。裏を返せば、防虫ネットで大半の被害は避けられます。しかも3月から11月までまける周年性があり、プランターひとつあれば食卓の葉物をかなりの部分まかなえます。このページでは、虫に食べられずに育てる方法を中心にまとめます。
小松菜の栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 小松菜 | ● | ◯ | ◎ | ◎ | ● | ● | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
小松菜の育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは播種と同時に防虫ネットをかけること。小松菜はアブラナ科の代表格で、アオムシ・コナガ・ダイコンハムシが集中します。まいた後にかけるのでは遅く、種をまいたその日にかけてください。
2つめはネットの裾を土に埋めること。ネットをかけたつもりで穴だらけになる失敗の原因は、ほぼ裾の隙間です。裾を土で押さえるか埋めるところまでやって、初めて防虫ネットは機能します。
3つめは厚めにまいて間引きながら穫ること。すじまきして混み合ったところから順に間引き菜として食べ、最終的に株間5〜6cmにします。間引き菜も立派な収穫なので、無駄が出ません。
小松菜の種まき時期と品種の選び方
小松菜は3〜11月と長期間まけます。真夏と真冬を除けばほぼ周年で、これは葉物のなかでも際立った特徴です。生育適温は15〜25℃で、春まきと秋まきがとくに育てやすい時期になります。
品種には暑さに強い夏まき用と、寒さで甘くなる秋冬用があります。袋の適期表示を見て、まく時期に合ったものを選んでください。同じ小松菜でも、時期を外すととう立ちしたり生育が止まったりします。
秋まきは虫が減り、寒さで甘みが増すため、味と作りやすさの両面で最も有利です。初めて育てるなら9〜10月まきをおすすめします。春まきは虫が増える時期と重なるので、防虫の徹底が前提になります。
小松菜のプランター栽培のコツ
深さ15cm以上のプランターで10〜15株が目安です。根はそれほど深く張らないので、標準的な65cmプランターがあれば十分に収穫できます。浅型でも育ちますが、乾きやすさを考えると15cmはほしいところです。
すじまきにして、間引きながら育てます。最初から株数を決めずにまいて構いません。プランターでも防虫ネットは必須で、支柱を数本立ててトンネル状にかけると葉に触れず育てられます。
ベランダは地面より虫が少ないため、畑よりは被害が軽くなります。それでもモンシロチョウは飛んでくるので、ネットはかけてください。プランター用の小型トンネル支柱が市販されています。
小松菜の種まきと間引きのやり方
深さ1cmほどの溝をつけ、種を1〜2cm間隔で落として覆土し、軽く押さえます。条間は20cm。まいた後はたっぷり水を与え、発芽するまで土の表面を乾かさないようにします。地温にもよりますが、暖かい時期で3〜5日、低温期はもう少しかかります。
1回目の間引きは本葉1〜2枚で、株間3cm程度に。2回目は本葉3〜4枚で株間5〜6cmにします。混み合ったまま育てると葉が立ち上がるばかりで大きくならず、株元が蒸れて軟腐病も出やすくなります。
間引き菜は柔らかくアクも少ないので、そのまま食べられます。サラダや味噌汁に使ってください。捨てずに済むぶん、間引きを先延ばしにする理由がなくなります。
小松菜の虫食いを防ぐ方法
アオムシ(モンシロチョウの幼虫)、コナガ、ダイコンハムシが主な加害者です。いずれも葉を食べ、放置すると葉脈だけ残して食べ尽くされます。小松菜は葉物のなかでもとくに被害を受けやすい品目です。
最も確実な対策は物理的な遮断です。播種と同時に防虫ネット(目合い1mm以下、キスジノミハムシまで防ぐなら0.6mm程度)をかけ、裾を土に埋めます。土の中にいた成虫にはネットが効かないので、連作した場所では土の入れ替えも検討してください。トンネル支柱を使い、葉がネットに触れないよう高さを確保すると、ネット越しの食害も防げます。
それでも入り込んだ幼虫は手で取ります。葉裏を見る習慣をつけてください。キスジノミハムシは小さく素早いので、見つけにくい相手です。無農薬でやるなら、ネットの精度がそのまま収穫量になります。
小松菜の病害虫とその他のトラブル
軟腐病は株元が水浸状に腐り、悪臭を放つ病気です。多湿と過密で発生します。間引きで風通しを確保し、水は株元に与えて葉を濡らしすぎないようにしてください。発病株は早めに抜き取ります。
べと病は葉に黄色い斑点が出ます。こちらも多湿と過密が原因です。連作でも出やすくなるため、同じ場所でアブラナ科を続けないようにします。プランターでは培養土の入れ替えが最も簡単な対策です。
根こぶ病は根がこぶ状に膨れて生育が止まる土壌病害です。菌が土中で長期間生き残るため、発生した場所ではアブラナ科の作付けを長く避けてください。数年の輪作だけでは不十分なことが多く、排水の改善、酸度矯正、抵抗性品種、汚染した土を他の区画に持ち込まないことを組み合わせます。プランターでは土を全量入れ替え、容器も洗います。
小松菜の収穫時期と長く収穫する工夫
草丈20〜25cmが収穫の目安です。株ごと引き抜くか、株元にハサミを入れます。生育が早いので、適期を逃さないよう2〜3日おきに様子を見てください。大きくなりすぎると葉が硬くなります。
外葉から順に摘み取る採り方もできます。株を残せば新しい葉が伸びるので、少量ずつ長く使いたい場合はこちらが向きます。まとめて必要なら株ごと収穫のほうが効率的です。
1〜2週間ずらして少量ずつまく「ずらしまき」をすると、収穫が途切れません。生育期間が短い品目なので、この方法が特に有効です。プランターを2つ用意して交互にまくだけで、長期間食卓に出せます。
小松菜のとう立ちと季節ごとの育ちの違い
小松菜はアブラナ科なので、一定期間の低温に当たった後に気温と日長が上がるととう立ちします。春まきで最も起きやすく、中心から花茎が伸びて葉が硬くなります。こうなる前に収穫を終えるのが基本です。
春まきは生育が早いぶん収穫適期の幅が短くなります。草丈が20cmを超えたら早めに穫ってください。逆に秋まきは低温で生育がゆるやかになり、適期の幅が広がるので、収穫のタイミングに余裕が生まれます。
とう立ちした株の花茎(菜の花)も食べられます。つぼみのうちに摘めば、おひたしや炒め物においしく使えます。失敗ではなく別の収穫と考えると、無駄なく使い切れます。
小松菜の保存と食べ方
根元に土が入り込みやすいので、株元を少し切り落としてから流水で振り洗いします。葉の付け根に土が残りやすいので、そこを重点的に洗ってください。
アクが少ないため下ゆでなしでそのまま炒められます。ほうれん草と違ってシュウ酸が少なく、この扱いやすさが小松菜の利点です。おひたしにするなら茹ですぎず、色が変わったら上げてください。
冬採りは霜に当たって甘みが強くなります。家庭菜園で味の違いがはっきり出る瞬間のひとつです。保存は湿らせた紙に包んで冷蔵で3〜4日、茹でて水気を絞れば冷凍もできます。まいた日と収穫日を記録しておくと、ずらしまきの間隔を決める材料になります。