野菜の育て方一覧 / シシトウ
シシトウの育て方
難易度★★☆ ・ 初収穫まで約60〜80日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 4月・5月

シシトウはトウガラシの仲間で、ピーマンとほぼ同じ育て方ができます。1株から数十個穫れ、夏の間ずっと収穫が続きます。この品目で知っておきたいのが「たまに辛い実が混ざる」理由です。乾燥や高温などのストレスがかかると辛い実の発生率が上がるため、辛いものが増えてきたら株が苦しんでいるサインと読めます。水と肥料の管理がそのまま味に出る、分かりやすい品目です。
シシトウの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10(今月) | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シシトウ | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
シシトウの育て方 初心者が最初におさえる3つのポイント
1つめは水を切らさないこと。乾燥ストレスは辛い実の発生率を上げます。夏場は特に、土の乾きを見ながらこまめに与えてください。
2つめは肥料を切らさないこと(ただし与えすぎないこと)。収穫期間が長いため途中で養分が尽きると花が減ります。一方で窒素過多は葉ばかり茂って実つきが落ちる原因になります。
3つめは支柱を早めに立てること。枝が細く、実の重みと風で簡単に裂けます。植え付けと同時に仮支柱を立ててください。
シシトウの苗の選び方と植え付け時期
植え付け適期は温暖地で4〜5月、遅霜の心配がなくなってからです。高温を好む品目なので、気温が安定してから植えるほうが結果が良くなります。
良い苗は、本葉が7〜8枚で節間が詰まり、茎が太く、一番花のつぼみが見えているものです。葉色が濃く厚みのあるものを選んでください。
「ししとう」として売られている一般種で問題ありません。辛くなりにくい品種表示のあるものもあります。連作した場所では接ぎ木苗が安心です。
シシトウのプランターのサイズと栽培のコツ
深さ30cm以上、容量15L以上の深型プランターに1株が原則です。ピーマンと同じ扱いで、土量が確保できるほど水切れしにくくなります。
支柱を立てるので、倒れにくい安定した形の容器を選んでください。実がつくと重心が上がり、風で倒れやすくなります。
置き場所は日当たりの良い屋外です。1日6時間程度は日が当たる場所を確保してください。日照が足りないと徒長し、落花や着果不良を招きます。夏の極端な西日は避けられるとなお良いでしょう。
シシトウを畑・地植えで育てる場合
ナス科です。トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモも同じ科なので、これらを3〜4年以内に育てた場所は避けてください。連作すると青枯病や疫病が出やすくなります。
植え付けの2週間前に酸度を調整し、1週間前に堆肥と元肥を入れて畝を立てます。株間は45〜50cm。黒マルチを張ると地温確保と乾燥防止に効果があります。
場所を変えられない場合は接ぎ木苗を使ってください。台木が病気に強い品種なので、連作の制約をある程度緩められます。
シシトウとピーマン・トウガラシの違い
シシトウはトウガラシの仲間ですが、辛みが出にくいように改良された品種です。ピーマンも同じくトウガラシの仲間で、いずれもナス科トウガラシ属に含まれます。
栽培方法はピーマンとほぼ同じで、三本仕立て、若採り、支柱の立て方まで共通しています。並べて育てても管理の手順は変わりません。
違いは実の大きさと肉厚、使い方です。どちらも内部は空洞ですが、シシトウは小ぶりで丸ごと調理でき、ピーマンは大きく肉厚なので詰め物にも使えます。両方育てると使い分けができます。
シシトウの整枝と支柱の立て方
ピーマンと同じく三本仕立てが基本です。一番花の直下から出る勢いの良い脇芽2本と主枝を残し、それより下のわき芽はかき取ります。
残した3本はそれぞれ支柱に誘引します。紐は8の字にゆるく結び、茎が太くなる余地を残してください。きつく縛ると成長とともに食い込みます。
枝が細いので、実がつく前から支柱を用意しておくことが大切です。折れてから対処するのでは間に合いません。
シシトウの水やりと追肥のタイミング
水やりは朝が基本で、土の表面が乾いたら鉢底から流れるまで与えます。回数は天候や容器で変わるので、決めうちにせず土の状態で判断してください。
追肥は最初の実を収穫したころから始め、2〜3週間に1回のペースで与えます。収穫期間が長いため、途中で肥料が尽きると花が咲かなくなります。
プランターでは水やりのたびに肥料分が流れ出るので、地植えより追肥の頻度を上げる必要があります。ただし窒素過多になると葉ばかり茂って実つきが落ちるため、規定量を守ってください。
シシトウが辛くなる原因と対策
辛い実は、乾燥や高温などのストレスがかかったときに発生率が上がるとされています。水切れが続いた後に採れた実に混ざりやすくなります。
対策は水と肥料を安定させることです。土の乾湿の差を小さく保ち、肥料切れを起こさないようにします。マルチや敷きわらで乾燥のふれ幅を抑えるのも有効です。
ただし辛さには品種や個体差、果実の成熟度も関係するため、管理が完璧でもまったく出ないとは限りません。辛いものが増えてきたら管理を見直す目安、と考えてください。
シシトウの花が落ちる・実がつかない原因
花が咲いても実にならず落ちるのは、水切れか、極端な高温・低温が原因になりやすいでしょう。特に乾燥が続くと落花します。土の水分を一定に保つことが最も効く対策です。
葉が濃い緑色で旺盛に茂っているのに花が少ない場合は、窒素過多を疑います。追肥をいったん止めて様子を見てください。
日照不足でも実つきが落ちます。ピーマンと同じく強い日照は求めませんが、半日以上は日が当たる場所を確保してください。
シシトウにつく病害虫と対策
アブラムシ、タバコガ、ハダニ、アザミウマがつきます。ピーマンやナスと同じナス科なので、被害の傾向も共通しています。
実に穴や食害痕があればタバコガ類などを疑います。幼虫がすでに出た後のこともあるので、被害果を取り除いたうえで周囲の実や葉も確認してください。ハダニは高温乾燥時に葉裏で増えるので、葉裏への水かけが予防になります。
農薬を使う場合は、ラベルの適用作物欄にシシトウ(またはそれを含む作物群)が記載されている製品を規定どおりに使ってください。収穫を繰り返すので収穫前日数の確認が大切です。
シシトウの収穫時期と長く穫るコツ
開花から15日前後、長さ5〜7cmで収穫します。ヘタの上をハサミで切ります。若採りするほど株が疲れず、次の実がつきやすくなります。
一番果は特に早めに、小さいうちに採ってください。最初の実を大きくすると株の生育が止まりやすくなります。
放置して赤く完熟させることもできますが、そのぶん株の負担が大きくなり総収穫量は落ちます。全部を赤くするより、いくつか残す程度にとどめるのがバランスの良い使い方です。
シシトウの保存と食べ方
焼くだけ、素揚げするだけで一品になります。加熱前に爪楊枝などで数か所穴を開けておくと、破裂を防げます。
採れすぎたら冷凍できます。洗って水気を拭き、ヘタを取って保存袋へ。凍ったまま炒め物に使えて便利です。
採りたては皮が薄く香りが立ちます。夏の間ずっと収穫が続く品目なので、収穫本数を記録しておくと来年の株数を決める材料になります。
焼いて醤油とかつお節をかけるだけで十分おいしく、天ぷらや肉巻きにも使えます。一度に大量に穫れる日があるので、佃煮にして保存する方法も覚えておくと使い切れます。