野菜の育て方一覧 / ネギ
ネギの育て方
難易度★★☆ ・ 初収穫まで約120〜300日 ・ プランター可 ・ 植え付け適期 3月・4月・7月・8月・9月・10月

ネギには、白い部分を長く育てる根深ネギ(長ネギ・白ネギ)と、緑の葉を主に食べる葉ネギがあります。どちらも同じネギの仲間ですが、必要な深さと土寄せの量、収穫までの期間が大きく違います。畑で長く育てられるなら根深ネギ、深型プランターで気軽に始めるなら葉ネギが向きます。このページでは両方を混同しないよう、種・苗の選び方から収穫までを分けて説明します。
ネギの栽培カレンダー
| 品目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8(今月) | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ネギ | ● | ● | ◎ | ◎ | ● | ● | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ● | ● |
中間地(関東平野部)を基準にした目安です。春まきは寒冷地が約1ヶ月遅く暖地が約1ヶ月早く、秋まきは逆に寒冷地が約1ヶ月早く暖地が約1ヶ月遅くなります。品種・その年の天候で前後します。
ネギの育て方 初心者が最初に決めること
最初に決めるのは、白い部分を食べる根深ネギを作るか、青い葉を中心に食べる葉ネギを作るかです。根深ネギは、成長に合わせて何度も土を寄せ、日光を遮った葉鞘を白く伸ばします。栽培期間が長く、土寄せできる深さも要るため、畑か大きな深型容器向きです。
葉ネギは白い部分を長くする必要がなく、草丈が伸びたら葉ごと収穫できます。九条系などの葉ネギ向き品種なら、深さ20cmほどのプランターから始められます。切ったあとに追肥して再び伸ばす収穫方法もあり、家庭で少しずつ使う目的に向きます。
どちらも日当たりと水はけの良い場所を選びます。ネギは乾燥には比較的耐えますが、根が浅く、植え付け直後や真夏の容器栽培では水切れします。一方で土が常に湿っていると根が傷むため、決まった曜日ではなく土の表面の乾きを見て水やりします。
ネギの品種と種・苗の選び方
根深ネギには白い部分が長くなる系統と、短く太く育つ系統があります。一般に『長ネギ』『白ネギ』『根深ネギ』と表示されたものを選び、種袋に書かれた地域と作型を確認してください。寒さに当たる時期や収穫時期が品種で違うため、名前だけでなく播種暦を見ることが大切です。
葉ネギは『九条』『葉ネギ』『青ネギ』などの表示が目印です。根深ネギより土寄せが少なく、プランターでも管理しやすいので、初めて種から育てる人にも向きます。すぐ栽培を記録したい場合は、園芸店で太さのそろった苗を購入すると長い育苗期間を省けます。
苗は葉色がよく、根元が締まり、太さがそろったものを選びます。葉先が少し枯れていても植え付け後に更新しますが、株元が軟らかいもの、腐敗臭がするもの、根が黒く傷んだものは避けてください。束苗は乾かさず、入手したら早めに植えます。
ネギの種まきと育苗のやり方
温暖地では春まきと秋まきが基本です。春にまいた苗を夏に植えて晩秋から冬に収穫する作型と、秋にまいて越冬させ、春に植えて秋から冬に収穫する作型があります。高温すぎると発芽がそろいにくいため、真夏の種まきは葉ネギ向き品種など適期表示のあるものに限ります。
育苗床では深さ6〜8mmほどの浅い溝を作り、種を5mm〜1cmほどの間隔ですじまきします。薄く土をかけ、発芽するまで表面を乾かさないようにします。芽がそろったら数回に分けて間引き、本葉3〜4枚までに株間2〜3cmほどへ整えます。
苗が密集したままだと細く倒れやすくなります。草丈が20〜25cmになったら葉先を15cm程度へ切りそろえ、再び伸びたらもう一度そろえると、根元の太い扱いやすい苗になります。育苗中も過湿にせず、風通しを確保してください。
根深ネギを畑へ植え付ける方法
根深ネギは、草丈40cm・根元の太さ1cm前後まで育った苗が植え付けの目安です。畑に幅15cm、深さ15cmほどの溝を掘り、苗を5〜6cm間隔で溝の片側へ垂直に並べます。最初から溝を全部埋めず、根が隠れる程度の4cmほどだけ土を戻します。
深く植えすぎると新しい葉が伸びる中心部へ土が入り、生育が止まります。葉が分かれ始める位置は必ず地表より上に残してください。苗が倒れないよう根元を軽く押さえ、敷きわらなどで溝の乾燥を抑える方法もあります。
列の間には後の土寄せに使う土を残します。最初から平らな畑へ植えると寄せる土が足りなくなり、白い部分を伸ばせません。根深ネギでは植え付けそのものより、数か月後まで土を動かせる畝の設計が収穫品質を左右します。
ネギのプランター栽培 サイズと植え方
葉ネギなら深さ20cm以上の標準プランターで育てられます。株間は品種と収穫サイズに合わせますが、家庭用の葉ネギなら数cm間隔から始め、混み合った株を間引きながら食べる方法が実用的です。排水穴をふさがず、市販の野菜用培養土を使います。
根深ネギの白い部分まで作るなら、深さ30cm以上の深型容器を選びます。最初から容器の上まで土を入れず、底に土を入れて苗を立て、成長に合わせて増し土できる空間を残します。株間は5〜10cmほど取り、土寄せのたびに葉の分岐点が埋まっていないか確認します。
容器の土量が少ないと夏に急速に乾き、肥料も切れやすくなります。ただし受け皿へ水をためたままにすると根腐れにつながります。日当たりと風通しの良い場所に置き、台風や強風の前は葉が折れない場所へ移動してください。
ネギの土寄せと追肥 白い部分を伸ばすコツ
根深ネギでは、植え付け後およそ1か月ごとに追肥と土寄せを行います。先に株元近くへ肥料を施し、その上へ少しずつ土を寄せます。1回で完成させず、生育に合わせて3〜4回に分けることで、葉鞘へ光が当たらない期間を伸ばし、白い部分を長くします。
土を寄せる上限は、葉が左右へ分かれる分岐点の少し下です。分岐点を埋めると中心へ土や水が入り、腐敗や伸長停止の原因になります。雨の直前に大量の土を寄せると締まって過湿になりやすいため、乾きすぎても濡れすぎてもいない日に作業します。
葉ネギは白い部分を長くしないため、大がかりな土寄せは不要です。株がぐらつくときに根元へ軽く土を寄せ、葉を刈り取った後に少量の追肥を行います。肥料を一度に多く与えると軟弱になり、さび病などが出やすくなるため、袋の規定量を分けて使います。
ネギの水やりと夏・冬の日常管理
植え付け直後は新しい根が出るまで乾かさないようにします。活着後は、土の表面が乾いたら株元へたっぷり与えるのが基本です。畑では降雨があれば毎日の水やりは不要ですが、真夏のプランターは乾きが速いため朝に確認してください。
長雨の時期は水やりより排水が優先です。鉢底穴の詰まりを確認し、畑では溝に水がたまり続けないよう排水路を作ります。過湿で根が弱ると葉色が落ち、病気にも入りやすくなります。乾燥に強いという性質を『水が不要』と取り違えないことも大切です。
冬は生育が緩やかになりますが、根深ネギは寒さで甘みが増します。霜で外葉が傷んでも、中心の葉と株元が健全なら収穫できます。寒冷地では作型と品種の耐寒性を優先し、無理に温暖地のカレンダーへ合わせないでください。
ネギにつく病害虫と見つけ方
葉に白いかすり傷のような斑点が増えたらネギアザミウマ、葉の内部に白い筋が伸びたらネギハモグリバエを疑います。葉が筒状なので内部へ虫が隠れることもあります。被害が軽いうちに傷んだ葉を取り除き、株元の枯れ葉も片付けます。
オレンジ色の粉が葉に出るさび病、淡い斑点が広がって葉が枯れるべと病、黒い病斑が出る黒斑病も代表的です。株間を確保して風を通し、葉へ泥を跳ね上げないこと、窒素肥料を一度に与えすぎないことが予防の基本です。
農薬を使う場合は、製品ラベルの適用作物にネギまたは該当する作物群が含まれることを確認し、使用回数と収穫前日数を守ってください。症状が急速に広がる、株元が腐る、原因を判断できない場合は、園芸店や地域の農業相談窓口へ現物や写真を見せます。
ネギ坊主が出る原因と対処
ある程度の太さまで育ったネギが低温に当たり、その後の高温と長日に遭うと花芽が伸び、先端にネギ坊主ができます。特に秋まきの株では春に起きやすく、品種、播種時期、苗の大きさ、地域の気温によって出方が変わります。
根深ネギでネギ坊主が出たら、硬くなる前に花芽を早めに摘み、側芽の生育を促します。ただし一度とう立ちした主茎は食感が硬くなるため、予定どおりの品質にならないことがあります。秋まきでは種袋の地域別適期を守ることが最も確実な予防です。
葉ネギは花芽を摘んだあとも葉を利用できます。ネギ坊主そのものも若いうちは食べられますが、家庭菜園では株ごとの状態を見て、葉が硬くなる前に早めに収穫するほうが無駄がありません。記録に発生日を残すと翌年の播種時期調整に使えます。
ネギの収穫時期と抜き方
根深ネギは、白い部分が十分な長さと太さになった株から順に収穫します。株元の土を手やスコップで少しよけ、白い部分を折らないよう根元を持ってまっすぐ引き抜きます。土が硬いときは無理に引かず、横から根を切るように掘り進めます。
葉ネギは草丈30〜40cmを目安に株ごと抜くか、株元を数cm残して刈り取ります。刈り取り後に少量の追肥をして葉を再生させる方法もあります。何度も刈ると葉が細くなるため、勢いが落ちた株は抜いて新しくまき直します。
採り遅れた根深ネギは外葉が枯れ、とう立ちすると芯が硬くなります。必要な分だけ畑から抜くと鮮度を保てますが、凍結や長雨が続く地域では天候が安定した日にまとめて収穫し、泥を軽く落として乾かします。
採れたネギの保存と食べ方
収穫したネギは、傷んだ外葉と根の泥を落とし、乾燥を防いで冷蔵します。洗った場合は水気をよく拭き取ってください。長いまま入らないときは青い部分と白い部分を分け、切り口を包んで保存すると使いやすくなります。
刻んだネギは小分けして冷凍できます。凍ったまま味噌汁、炒め物、鍋物へ加えられます。白い部分はじっくり加熱すると甘みが出るため、焼きネギや煮物に向き、青い部分は薬味やスープの香りづけに使えます。
収穫日、土寄せの回数、病害虫が出た時期をMinologへ残しておくと、翌年は自分の畑やベランダに合う作型を作れます。ネギは栽培期間が長いので、写真と短いメモを月ごとに残すだけでも、途中の変化を振り返りやすくなります。
