果物の育て方一覧 / クリ
クリの育て方
難易度: ふつう ・ 糖度 10〜17度(目安) ・ 初収穫まで3〜5年 ・ 地植え向き ・ 受粉樹が必要 ・ 植えどき 2月・3月・11月・12月
クリ(くり)は落葉果樹に分類される果物で、難易度は「簡単〜ふつう」。「桃栗三年」のとおり結実が早く、放任でも毎年落ちてくる。渋皮が剥ける品種が家庭向き。糖度の目安は10〜17度で、品種によって差があり、利平なら13〜17度まで狙えます。中間地では2月・3月・11月・12月に植え付け、初収穫までの目安は3〜5年、収穫は8月・9月・10月です。受粉樹が必要ので、苗木を選ぶ前に本数を決めておきます。このページでは、品種の選び方から植え付け・水やり・肥料・剪定・受粉・病害虫・収穫までを、クリに固有の数字と時期でまとめています。
クリの栽培カレンダー
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| クリ | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ◯ | ◯ |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
中間地(関東平野部)基準の目安。植え付け2月・3月・11月・12月、収穫8月・9月・10月。寒冷地は春の作業が遅く、暖地は早くなります。
クリの品種と植え付け時期
同じクリでも、品種で糖度・収穫時期・耐寒性が変わり、植え付け適期もずれます。落葉期(休眠期)に植えるのが基本で、寒冷地は厳寒期を避けて春寄りにします。
| 品種 | 糖度(目安) | 植え付け適期 | 収穫時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ぽろたん | 12〜16度 | 2月・3月・11月・12月 | 9月 | 農研機構育成。加熱すると渋皮がぽろっと剥ける。大果で家庭向き。受粉樹が必要 |
| 丹沢 | 10〜14度 | 2月・3月・11月・12月 | 8月・9月 | 極早生で8月末から採れる。ぽろたんの受粉樹に向く |
| 筑波 | 11〜15度 | 2月・3月・11月・12月 | 9月・10月 | 生産量が最も多い中生の定番。豊産で丈夫。花粉が多く受粉樹になる |
| 利平 | 13〜17度 | 2月・3月・11月・12月 | 9月・10月 | 甘みが最も強いとされる。花粉が少なく受粉樹には向かない |
| 銀寄(ぎんよせ) | 12〜16度 | 2月・3月・11月・12月 | 10月 | 関西の丹波栗系の大果。晩生で風味が良い。受粉樹が必要 |
品種ごとの植え付け・収穫の時期
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ぽろたん | ◯ | ◯ | ● | ◯ | ◯ | |||||||
| 丹沢 | ◯ | ◯ | ● | ● | ◯ | ◯ | ||||||
| 筑波 | ◯ | ◯ | ● | ● | ◯ | ◯ | ||||||
| 利平 | ◯ | ◯ | ● | ● | ◯ | ◯ | ||||||
| 銀寄(ぎんよせ) | ◯ | ◯ | ● | ◯ | ◯ |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
クリの品種の選び方 糖度・受粉・地域で決める
家庭では渋皮の剥けやすさで選びます。農研機構育成のぽろたんは加熱すると渋皮がぽろっと剥け、家庭向きの決定版です。ただし自家不和合性なので、受粉樹に開花期の合う丹沢か筑波を添えます。甘みを追うなら利平(花粉が少ないので受粉樹には向かない)。晩生の大果なら銀寄。クリは5m以上になるので、庭に2本植えられる広さがあるかを先に確かめます。
クリが露地で無理なく育つのは寒冷地・中間地・暖地です。1日6時間以上の直射日光が必要で、実らせるなら地植えが向きます。
クリの植え付け時期と植え方
落葉期の11〜12月か2〜3月に植えます。日当たりが良く水はけの良い、酸性寄りの土を好みます。直根が深く伸びるので深く耕して植えます。2品種を5〜6m以内に。樹が大きくなるので、植え付け時に主幹を60〜70cmで切り戻し、主枝を3本出す仕立てにして樹高を4m以内に抑えます。鉢植えでの結実は現実的ではありません。
クリの水やり 活着まで・夏・休眠期
地植えは根づけばほぼ雨で足ります。夏の日照りが続くときと、実が肥大する8〜9月に乾燥するときだけ週1回たっぷり。冬は不要です。植え付け1年目だけは根が浅いので、春から夏は週2回、株元にたっぷり与えて根を深く張らせます。敷きわらで乾燥を防ぐと手間が減ります。
クリの肥料 元肥・追肥・お礼肥の時期
11〜12月に元肥、6月に追肥、収穫後の10月にお礼肥。クリは肥料を比較的多く必要とし、切らすと実が小さく、いがの中が空になります。果樹用肥料を多めに。堆肥を冬にすき込むと土が酸性寄りになり根張りも良くなります。
クリの剪定 時期と残す枝
12〜2月に行います。クリは前年枝の先端付近に雌花をつけるので、枝先を全部切ると実がつきません。混み合った枝と内向きの枝を根元から間引き、残す枝の先は切りません。樹が高くなると収穫できないので、主幹を4m程度で止め、上に伸びる枝を毎年切り戻します。
クリの受粉と実つき 受粉樹が必要
雄花(長い穂)と雌花(穂の根元の小さな花)が同じ木に咲きますが、自分の花粉では実がつきにくく、別品種の花粉が必要です。開花は6月で、風と虫が花粉を運びます。2品種を近くに植えれば人工授粉は不要です。いがが小さいうちに落ちるのは正常で、摘果も要りません。
クリの病害虫 必ず出るものと対策
クリタマバチ(芽が虫こぶになり葉が出ない)、クリシギゾウムシ(実の中に幼虫が入る)、モモノゴマダラノメイガ(実に入る)が定番です。収穫した実は虫が入っていることが多いので、すぐに水に沈めて浮いた実を除き、冷蔵か燻蒸(お湯に浸ける)で虫を止めます。病気は胴枯れ病、炭疽病。
クリの収穫時期と糖度を上げるコツ
9〜10月、いがが茶色くなって裂け、実が自然に落ちます。木にあるうちは採らず、落ちた実を毎朝拾うのが基本です(落ちた実を放置すると虫が入り、動物に取られます)。いがから出しにくい実は火ばさみで。拾った実はすぐ水に浸けて浮いたものを除き、袋に入れて冷蔵すると甘みが増します。
クリの鉢植えは現実的か(地植えとの違い)
鉢植えでは実がほとんど期待できません。庭がない場合は、ぽろたんの小さな苗を12号以上の大鉢で育て、観賞と数個の収穫を楽しむ程度と考えてください。実らせるなら地植えで2本、5m四方の広さが要ります。
クリが実がならない・よくある失敗
1本だけ植えて実がつかない(受粉樹が無い)、いがは付くのに中身が空(肥料切れか受粉不良)、拾い遅れて虫と動物に取られる、樹が高くなりすぎて手に負えない、が定番です。「桃栗三年」のとおり接ぎ木苗なら3〜4年で採れ始めますが、本格的に採れるのは6〜7年目からです。
クリの保存と食べ方
拾った実は冷蔵庫の野菜室で2〜3週間置くと、でんぷんが糖に変わって甘みが2倍近くになります(0℃前後の低温貯蔵)。ぽろたんは切り込みを入れて電子レンジやオーブンで加熱すると渋皮ごと剥けます。茹で栗、栗ご飯、渋皮煮に。鬼皮をむいて冷凍すれば半年持ちます。
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