果物の育て方一覧 / キンカン
キンカンの育て方
難易度: とても簡単 ・ 糖度 11〜18度(目安) ・ 初収穫まで2〜3年 ・ 鉢植え可 ・ 1本で実がなる ・ 植えどき 3月・4月
キンカン(きんかん)は柑橘に分類される果物で、難易度は「とても簡単(初心者向き)」。柑橘でいちばん小さく丈夫。皮ごと食べられ、完熟させれば糖度16度を超える。糖度の目安は11〜18度で、品種によって差があり、ぷちまるなら14〜18度まで狙えます。中間地では3月・4月に植え付け、初収穫までの目安は2〜3年、収穫は1月・2月・3月・12月です。1本で実がなるので、苗木を選ぶ前に本数を決めておきます。このページでは、品種の選び方から植え付け・水やり・肥料・剪定・受粉・病害虫・収穫までを、キンカンに固有の数字と時期でまとめています。
キンカンの栽培カレンダー
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| キンカン | ● | ● | ◎ | ◯ | ● |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
中間地(関東平野部)基準の目安。植え付け3月・4月、収穫1月・2月・3月・12月。寒冷地は春の作業が遅く、暖地は早くなります。
キンカンの品種と植え付け時期
同じキンカンでも、品種で糖度・収穫時期・耐寒性が変わり、植え付け適期もずれます。常緑なので寒さがゆるんで新芽が動く前に植えます。
| 品種 | 糖度(目安) | 植え付け適期 | 収穫時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ニンポウキンカン(寧波金柑) | 13〜17度 | 3月・4月 | 1月・2月 | 最も流通する定番。丸い実で甘みが強い。1本で実がなる |
| ぷちまる | 14〜18度 | 3月・4月 | 1月・2月・3月 | 農研機構育成の種なし品種。完熟で糖度が高く、生食に向く |
| 福寿金柑 | 12〜16度 | 3月・4月 | 1月・2月 | 大実で甘露煮向き。樹勢が強く庭植えでも育てやすい |
| 長寿金柑 | 11〜14度 | 3月・4月 | 1月・2月・12月 | 小さな樹に実が鈴なりになる観賞兼用。鉢で最もコンパクト |
品種ごとの植え付け・収穫の時期
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ニンポウキンカン(寧波金柑) | ● | ● | ◯ | ◯ | ||||||||
| ぷちまる | ● | ● | ◎ | ◯ | ||||||||
| 福寿金柑 | ● | ● | ◯ | ◯ | ||||||||
| 長寿金柑 | ● | ● | ◯ | ◯ | ● |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
キンカンの品種の選び方 糖度・受粉・地域で決める
最も流通するのはニンポウキンカン(寧波金柑)で、甘くて丸い定番です。生食で糖度を追うなら、種なしで完熟時に糖度が高いぷちまる。甘露煮や大きな実が欲しいなら福寿金柑。観賞を兼ねてベランダで小さく育てるなら長寿金柑。どれも1本で実がなり、キンカンは柑橘の中で最も丈夫で失敗が少ない部類です。
キンカンが露地で無理なく育つのは中間地・暖地です。1日6時間以上の直射日光が必要で、鉢植えでも実がなります。
キンカンの植え付け時期と植え方
常緑なので3〜4月に植えます。樹高が1〜2mと小さく、鉢植えでも地植えでも場所を取りません。日当たりの良い南側に、水はけの良い土で浅めに植えます。柑橘の中では耐寒性がある方ですが、−5℃を下回る地域は鉢植えにして冬は軒下へ。植え付け後、根づくまで支柱で支えます。
キンカンの水やり 活着まで・夏・休眠期
地植えなら根づいた後は真夏以外ほぼ放任で構いません。鉢植えは夏は毎朝、春秋は土が乾いたら、冬は控えめに。7月の開花から結実期に水を切らすと落花・落果します。実が色づく12〜1月は乾かし気味にすると糖度が上がります。鉢が小さいと真夏に1日で乾き切るので、ベランダでは受け皿なしで朝夕2回に分けるか、一回り大きい鉢に替えるのが安全です。
キンカンの肥料 元肥・追肥・お礼肥の時期
3月・7月・10月に柑橘用肥料を与えます。小さな樹なので量は少なめで足り、多すぎると葉ばかり茂ります。実が長く木についているため、収穫後の3月の肥料を忘れると翌年の花が減ります。鉢植えは月1回の置き肥で十分です。
キンカンの剪定 時期と残す枝
3月、収穫後に行います。キンカンは自然に丸くまとまるので、混み合った枝と枯れ枝を間引く程度で構いません。強く切り詰めると夏の花が咲かなくなります。樹高を抑えたいときは、外向きの芽の上で切ります。植え付け1〜2年目は花を摘んで樹を作ります。
キンカンの受粉と実つき 1本で実がなる
自家結実性で1本で実がつきます。花は7〜9月に2〜3回咲き、1回目の花(7月)を残すと実が大きく充実します。3回目の花の実は小さく熟さないので摘みます。実がつきすぎた年は10月に葉8〜10枚に実1個まで摘果すると翌年も安定して咲きます。
キンカンの病害虫 必ず出るものと対策
アゲハチョウの幼虫、カイガラムシ、アブラムシ、ハダニ。柑橘の中では病気に強く、風通しさえ良ければ農薬なしで育ちます。冬に実が色づくとヒヨドリが来るので、防鳥ネットか不織布で覆います。葉が黄色く落ちるのは病気より冬の寒風か水切れが原因のことが多く、置き場所を変えるだけで回復します。
キンカンの収穫時期と糖度を上げるコツ
12〜3月、実がオレンジ色に完熟してから採ります。黄色いうちは酸っぱく、木で越冬させて1月以降に採ると糖度が16度前後まで上がります。寒波が続く地域では、実が凍る前(−3℃以下の予報)に収穫します。ハサミで果梗を短く切り、皮を傷つけないようにします。
キンカンの育て方 鉢植え・プランターのサイズと植え替え
7〜10号鉢で十分実がつきます。用土は果樹用培養土。2〜3年ごとに3月に植え替え。冬は鉢を軒下か日当たりの良い窓際へ。実がついたまま室内に飾れるので、正月の縁起物としても楽しめます。鉢が小さいと実が小さくなるので、収穫量が欲しいなら10号へ。
キンカンが実がならない・よくある失敗
色づいた実をすぐ採って酸っぱさに驚くのが最大のつまずきで、完熟には色づいてから1〜2か月要ります。もう1つは実を長く木につけすぎて翌年の花が減ること。3月までには採り終え、収穫後の肥料と剪定をすると隔年結果を防げます。
キンカンの保存と食べ方
皮ごと生で食べるのが本来の食べ方で、種を出しながらそのままつまみます。甘露煮は楊枝で数か所刺してから砂糖で煮ると皮が破れません。はちみつ漬けは喉の薬代わりに。冷蔵で2週間、皮ごとスライスして冷凍すれば半年持ちます。
キンカンを育てはじめたら、記録を残しませんか
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