果物の育て方一覧 / 温州ミカン
温州ミカンの育て方
難易度: ふつう ・ 糖度 9〜14度(目安) ・ 初収穫まで3〜4年 ・ 鉢植え可 ・ 1本で実がなる ・ 植えどき 3月・4月
温州ミカン(うんしゅうみかん)は柑橘に分類される果物で、難易度は「簡単〜ふつう」。種なしで1本で実がなる。極早生から晩生まで品種で収穫期を10月から年明けまでずらせる。糖度の目安は9〜14度で、品種によって差があり、石地なら12〜14度まで狙えます。中間地では3月・4月に植え付け、初収穫までの目安は3〜4年、収穫は9月・10月・11月・12月です。1本で実がなるので、苗木を選ぶ前に本数を決めておきます。このページでは、品種の選び方から植え付け・水やり・肥料・剪定・受粉・病害虫・収穫までを、温州ミカンに固有の数字と時期でまとめています。
温州ミカンの栽培カレンダー
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 温州ミカン | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ● |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
中間地(関東平野部)基準の目安。植え付け3月・4月、収穫9月・10月・11月・12月。寒冷地は春の作業が遅く、暖地は早くなります。
温州ミカンの品種と植え付け時期
同じ温州ミカンでも、品種で糖度・収穫時期・耐寒性が変わり、植え付け適期もずれます。常緑なので寒さがゆるんで新芽が動く前に植えます。
| 品種 | 糖度(目安) | 植え付け適期 | 収穫時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 日南1号(極早生) | 9〜11度 | 3月・4月 | 9月・10月 | 9月下旬から採れる極早生。酸が抜けるのが早く、皮が緑のうちから食べられる |
| 宮川早生 | 10〜12度 | 3月・4月 | 10月・11月 | 早生の代表。甘みと酸味のバランスが良く、家庭果樹で最も流通する |
| 興津早生 | 11〜13度 | 3月・4月 | 10月・11月 | 宮川早生より糖度がやや高く出やすい。樹勢が強く育てやすい |
| 石地 | 12〜14度 | 3月・4月 | 11月・12月 | 中生で糖度が高く、浮き皮が少ない。隔年結果しにくい |
| 青島温州 | 12〜13度 | 3月・4月 | 12月 | 晩生の大玉。12月に収穫して貯蔵すると酸が抜けてコクが出る。暖地向き |
品種ごとの植え付け・収穫の時期
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日南1号(極早生) | ◯ | ◯ | ● | ● | ||||||||
| 宮川早生 | ◯ | ◯ | ● | ● | ||||||||
| 興津早生 | ◯ | ◯ | ● | ● | ||||||||
| 石地 | ◯ | ◯ | ● | ● | ||||||||
| 青島温州 | ◯ | ◯ | ● |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
温州ミカンの品種の選び方 糖度・受粉・地域で決める
収穫したい時期で品種を選びます。9月下旬から採りたいなら極早生の日南1号、10〜11月の定番なら宮川早生か興津早生、糖度重視なら中生の石地、年末に採って貯蔵するなら青島温州。家庭で1本なら、収穫期間が長く失敗の少ない宮川早生か興津早生が無難です。すべて1本で実がなり種もほぼ入りません。
温州ミカンが露地で無理なく育つのは中間地・暖地です。1日6時間以上の直射日光が必要で、鉢植えでも実がなります。
温州ミカンの植え付け時期と植え方
常緑樹なので、寒さがゆるんで新芽が動く前の3〜4月に植えます。落葉果樹のように冬に植えると寒風で枯れ込みます。日当たりと風よけが最重要で、冬の北風が直接当たらない南側の壁際が理想です。水はけの良い土に浅めに植え、接ぎ木部分を土に埋めないようにします。植え付け後は支柱で固定します。
温州ミカンの水やり 活着まで・夏・休眠期
植え付け後1年は週2回たっぷり。根づいた後の地植えは真夏の日照り以外は雨で足ります。鉢植えは夏に毎朝。7〜8月に軽く水を控えると糖度が上がりますが、葉が巻くほど乾かすと落果します。冬は乾かし気味にして耐寒性を高めます。
温州ミカンの肥料 元肥・追肥・お礼肥の時期
3月(春肥)・6月(夏肥)・10月(秋肥)の3回、柑橘用肥料を与えます。柑橘は肥料を好み、切らすと葉色が薄くなり実が小さくなります。ただし夏肥を多く与えすぎると実が大きくなる代わりに味が薄くなります。鉢植えは月1回の置き肥でも構いません。
温州ミカンの剪定 時期と残す枝
3月に行います。内側に向かう枝、上に勢いよく伸びる徒長枝、枯れ枝を切り、外側に向かう枝を残して樹の内部に光が入るようにします。ミカンは切りすぎると実がつかないので、全体の1〜2割を間引く程度で十分です。植え付けから3年は主枝を育て、収穫は4年目からと考えます。
温州ミカンの受粉と実つき 1本で実がなる
単為結果性が強く、受粉しなくても実がつき、種も入りません。むしろ課題は「なりすぎ」です。実がつきすぎた年は翌年に花が少なくなる隔年結果を起こすので、7〜8月に葉25〜30枚に実1個の割合まで摘果します。小さい実、傷のある実、内側の実から落とします。
温州ミカンの病害虫 必ず出るものと対策
アゲハチョウの幼虫が新芽を食べ尽くします。5〜9月は葉の裏に卵と幼虫がいないか週1回見て、見つけ次第捕ります。ほかにカイガラムシ(枝に白い粒)、ミカンハモグリガ(葉に白い線)、ハダニ。病気ではそうか病、かいよう病が葉と実に斑点を作ります。風よけとこまめな観察が最大の防除です。
温州ミカンの収穫時期と糖度を上げるコツ
皮が全体にオレンジ色になり、ヘタの周りまで色づいたら収穫です。宮川早生は10月下旬〜11月、青島は12月。木に長く置くほど酸が抜けて甘くなりますが、寒波に当たると実が凍み(すあがり)て水っぽくなります。ハサミで果梗を短く切り、実を引っ張らないようにします。青島は収穫後に1か月貯蔵すると糖酸比が整います。
温州ミカンの育て方 鉢植え・プランターのサイズと植え替え
10〜12号鉢に1本。鉢が小さいと実が小さくなるので、実をならせたいなら最低10号です。用土は果樹用培養土か赤玉土7:腐葉土3。2〜3年ごとに3月に一回り大きな鉢へ植え替えます。冬は鉢を軒下や南向きの壁際へ移し、−3℃を下回る夜は不織布で覆います。
温州ミカンが実がならない・よくある失敗
冬に植えて寒風で枯らす、肥料を切らして実が小さい、摘果せずに翌年花が咲かない(隔年結果)、の3つが定番です。また、苗木を買った年に実がついていても、それは接ぎ木の勢いで、翌年から実がつかないことがあります。最初の2〜3年は樹を育てる期間と割り切ってください。
温州ミカンの保存と食べ方
収穫直後より2〜3日置くと酸が落ち着きます。段ボールに新聞紙を敷いて冷暗所で保存すれば2〜3週間。極早生・早生は日持ちしないので早めに食べ、青島は貯蔵向きです。皮は乾かして入浴剤や陳皮に。小さい実は丸ごと冷凍して冷凍みかんにすると子どもに喜ばれます。
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