果物の育て方一覧 / ウメ
ウメの育て方
難易度: ふつう ・ 糖度 6〜9度(目安) ・ 初収穫まで3〜5年 ・ 鉢植え可 ・ 受粉樹が必要 ・ 植えどき 1月・2月・11月・12月
ウメ(うめ)は落葉果樹に分類される果物で、難易度は「簡単〜ふつう」。花と実の両方を楽しめ、梅干し・梅酒・梅シロップに。寒さに強く全国で育つ。糖度の目安は6〜9度で、品種によって差があり、露茜(つゆあかね)なら7〜9度まで狙えます。中間地では1月・2月・11月・12月に植え付け、初収穫までの目安は3〜5年、収穫は5月・6月・7月です。受粉樹が必要ので、苗木を選ぶ前に本数を決めておきます。このページでは、品種の選び方から植え付け・水やり・肥料・剪定・受粉・病害虫・収穫までを、ウメに固有の数字と時期でまとめています。
ウメの栽培カレンダー
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ウメ | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ◯ | ◯ |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
中間地(関東平野部)基準の目安。植え付け1月・2月・11月・12月、収穫5月・6月・7月。寒冷地は春の作業が遅く、暖地は早くなります。
ウメの品種と植え付け時期
同じウメでも、品種で糖度・収穫時期・耐寒性が変わり、植え付け適期もずれます。落葉期(休眠期)に植えるのが基本で、寒冷地は厳寒期を避けて春寄りにします。
| 品種 | 糖度(目安) | 植え付け適期 | 収穫時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 南高(なんこう) | 6〜8度 | 1月・2月・11月・12月 | 6月 | 梅干しの最高級品種。肉厚で皮が柔らかい。受粉樹(小梅・豊後など)が必要 |
| 白加賀(しらかが) | 6〜8度 | 1月・2月・11月・12月 | 6月 | 関東で最も多い実梅。梅酒・梅シロップ向き。受粉樹が必要 |
| 豊後(ぶんご) | 6〜8度 | 1月・2月・11月・12月 | 6月 | アンズとの雑種で大果、耐寒性が強く寒冷地向き。自家結実性があり受粉樹にもなる |
| 甲州小梅 | 6〜8度 | 1月・2月・11月・12月 | 5月・6月 | 小粒でカリカリ梅向き。自家結実性があり、南高・白加賀の受粉樹として定番 |
| 露茜(つゆあかね) | 7〜9度 | 1月・2月・11月・12月 | 6月・7月 | 果肉まで赤いスモモとの交雑品種。梅酒が赤く染まる。受粉樹が必要 |
品種ごとの植え付け・収穫の時期
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 南高(なんこう) | ◯ | ◯ | ● | ◯ | ◯ | |||||||
| 白加賀(しらかが) | ◯ | ◯ | ● | ◯ | ◯ | |||||||
| 豊後(ぶんご) | ◯ | ◯ | ● | ◯ | ◯ | |||||||
| 甲州小梅 | ◯ | ◯ | ● | ● | ◯ | ◯ | ||||||
| 露茜(つゆあかね) | ◯ | ◯ | ● | ● | ◯ | ◯ |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
ウメの品種の選び方 糖度・受粉・地域で決める
用途と受粉で選びます。梅干しなら南高、梅酒・シロップなら白加賀、カリカリ梅なら小梅。南高と白加賀は自家不結実で、近くに花粉の多い受粉樹(小梅・豊後・花香実など)が要ります。1本だけ植えるなら自家結実性のある豊後か甲州小梅。寒冷地は耐寒性の強い豊後が確実です。実梅と花梅は別物なので、実を採りたいなら必ず実梅の苗を買います。
ウメが露地で無理なく育つのは寒冷地・中間地・暖地です。1日6時間以上の直射日光が必要で、鉢植えでも実がなります。
ウメの植え付け時期と植え方
落葉期の11〜2月に植えます。ウメは開花が2月と早く、植え付けが遅れると開花中に根を傷めるので、12月までに済ませるのが理想です。日当たりと水はけの良い場所に、接ぎ木部分を出して浅めに植えます。地植えは3m四方、受粉樹は5m以内に。植え付け時に主幹を60cmで切り戻します。
ウメの水やり 活着まで・夏・休眠期
地植えは根づいた後はほぼ雨で足ります。実が肥大する4〜5月に乾燥が続くときだけ週1回。鉢植えは春から夏は毎朝、冬は乾いたら。開花期(2月)に乾燥させると花が落ちるので、暖冬の年は鉢の水切れに注意します。梅雨時は逆に過湿で根が傷むため、鉢は雨の当たらない場所へ移します。
ウメの肥料 元肥・追肥・お礼肥の時期
12〜1月に元肥、収穫後の7月にお礼肥、9月に秋肥。ウメは肥料が多いと徒長枝が暴れて花芽がつきません。とくに窒素は控えめにし、リン酸・カリの多い果樹用肥料を選びます。鉢植えは2月と7月の置き肥で足ります。
ウメの剪定 時期と残す枝
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」のとおり、切らないと徒長枝だらけで実がつきません。冬(12〜1月)に長く伸びた徒長枝を根元から切るか5〜6芽で切り戻し、短い枝(短果枝)を残します。花芽は短い枝につきます。夏(6〜7月)に伸びすぎた新梢を切ると、冬の剪定が楽になり花芽もつきやすくなります。
ウメの受粉と実つき 受粉樹が必要
南高・白加賀は自分の花粉では実がつかず、開花期の重なる別品種が必要です。2月は虫が少ないので、受粉樹の花を摘んで筆で南高の花にこすりつける人工授粉をすると結実が安定します。実がつきすぎた枝は4月に間引くと大粒になります。若木の花は2〜3年摘み、樹を作ってから実をならせます。
ウメの病害虫 必ず出るものと対策
アブラムシが新芽に群がり葉が縮れる、カイガラムシが枝を覆う、コスカシバが幹に入る、が定番です。病気では黒星病(実に黒い点)とかいよう病。3月の芽吹き前に石灰硫黄合剤かマシン油乳剤を散布すると、越冬している虫と病気をまとめて減らせます。
ウメの収穫時期と糖度を上げるコツ
梅酒・シロップ用の青梅は5月下旬〜6月上旬、実が硬く緑のうちに。梅干し用の完熟梅は6月中旬〜下旬、黄色く色づいて香りが立ち、自然に落ち始めたころが最適です。落ちた実を拾うより、木の実を手で軽くねじって採る方が傷がつきません。ネットを敷いておくと落果も拾えます。
ウメの育て方 鉢植え・プランターのサイズと植え替え
10〜12号鉢に1本。鉢植えは収量が少ないので、実を採りたいなら地植えが向きます。鉢なら2品種を並べて受粉させやすいのが利点。用土は果樹用培養土。2〜3年ごとに冬に植え替え。花梅として楽しみつつ数個の実を採る、という付き合い方が現実的です。
ウメが実がならない・よくある失敗
1本だけ植えて花は咲くのに実がつかない、が最も多い失敗です(受粉樹が無い)。花梅を買って実がつかないケースもあります。剪定しないと徒長枝ばかりで花芽がつかず、実がついても青梅を採り遅れて落ちてしまう(完熟梅は1週間で落ちる)のもよくあります。
ウメの保存と食べ方
青梅は生では食べられず、梅酒・梅シロップ・カリカリ梅に。傷のある実はジャムに。完熟梅は梅干しか梅ジャム。青梅は冷蔵で3〜4日しか持たないので、収穫したらすぐ加工します。ヘタを竹串で取ってから冷凍しておけば、シロップは1年中いつでも仕込めます。
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