果物の育て方一覧 / ビワ
ビワの育て方
難易度: ふつう ・ 糖度 10〜14度(目安) ・ 初収穫まで4〜6年 ・ 鉢植え可 ・ 1本で実がなる ・ 植えどき 3月・4月
ビワ(びわ)は常緑果樹に分類される果物で、難易度は「簡単〜ふつう」。冬に花が咲き初夏に実る珍しい果樹。1本で実がなり、暖地なら放任でも採れる。糖度の目安は10〜14度で、品種によって差があり、長崎早生なら11〜14度まで狙えます。中間地では3月・4月に植え付け、初収穫までの目安は4〜6年、収穫は4月・5月・6月です。1本で実がなるので、苗木を選ぶ前に本数を決めておきます。このページでは、品種の選び方から植え付け・水やり・肥料・剪定・受粉・病害虫・収穫までを、ビワに固有の数字と時期でまとめています。
ビワの栽培カレンダー
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ビワ | ◯ | ◎ | ● | ● |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
中間地(関東平野部)基準の目安。植え付け3月・4月、収穫4月・5月・6月。寒冷地は春の作業が遅く、暖地は早くなります。
ビワの品種と植え付け時期
同じビワでも、品種で糖度・収穫時期・耐寒性が変わり、植え付け適期もずれます。常緑なので寒さがゆるんで新芽が動く前に植えます。
| 品種 | 糖度(目安) | 植え付け適期 | 収穫時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 茂木(もぎ) | 11〜13度 | 3月・4月 | 5月・6月 | 長崎の主力品種で最も流通する。中粒で甘みが強い。暖地向き |
| 田中 | 11〜13度 | 3月・4月 | 6月 | 大粒で耐寒性が茂木より強く、関東など東日本向き。晩生 |
| 長崎早生 | 11〜14度 | 3月・4月 | 4月・5月 | 極早生で暖地・ハウス向き。寒さに弱い |
| なつたより | 12〜14度 | 3月・4月 | 5月・6月 | 大果で糖度が高い新しい品種。果肉が柔らかい |
品種ごとの植え付け・収穫の時期
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 茂木(もぎ) | ◯ | ◯ | ● | ● | ||||||||
| 田中 | ◯ | ◯ | ● | |||||||||
| 長崎早生 | ◯ | ◎ | ● | |||||||||
| なつたより | ◯ | ◯ | ● | ● |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
ビワの品種の選び方 糖度・受粉・地域で決める
最も流通する茂木は暖地向きで、中間地では耐寒性のある田中を選ぶのが定石です。田中は実が大きく、関東でも庭で育ちます。糖度と大きさを求めるならなつたより。極早生の長崎早生は寒さに弱く暖地限定。どれも1本で実がなります。種から育てた実生でも実がつきますが、接ぎ木苗の方が早く(4〜5年)、品質も安定します。
ビワが露地で無理なく育つのは中間地・暖地です。1日6時間以上の直射日光が必要で、鉢植えでも実がなります。
ビワの植え付け時期と植え方
常緑樹なので3〜4月に植えます。日当たりの良い南側で、冬の寒風が当たらない場所に。11〜1月に咲く花が−3℃以下で凍み、幼果は−5℃で枯死するので、寒冷地は不向きです。地植えは4m四方(樹は大きくなる)、鉢植えは12号以上。植え付け時に主幹を60cmで切り戻します。
ビワの水やり 活着まで・夏・休眠期
地植えは根づけばほぼ雨で足ります。実が肥大する3〜5月に乾燥が続くときは週1回。鉢植えは春から夏は毎朝、冬は乾いたら。開花中の冬に鉢を乾かしすぎると花が落ちるので、休眠していないことを忘れずに。大きな葉から蒸散が多く、真夏の鉢植えは葉が垂れやすいので、午後だけ日陰になる場所に置くと水切れが減ります。
ビワの肥料 元肥・追肥・お礼肥の時期
2月に元肥(開花中に効かせる)、収穫後の6月にお礼肥、9月に秋肥。ビワは肥料を比較的多く使います。とくに収穫後の6月を忘れると翌年の花芽が減ります。鉢植えは月1回の置き肥で足ります。若木のうちは窒素が多いと枝ばかり伸びて花芽が遅れるので、植え付け2年目までは元肥だけにします。
ビワの剪定 時期と残す枝
収穫後の6〜7月と、9月に行います。ビワは枝先に花芽をつけ、樹が大きくなりやすいので、上に伸びる枝を切って樹高を3m以内に抑えます。冬(開花中)には切りません。混み合った枝を間引き、内部に光を入れます。太い枝を切った切り口は癒合剤を塗ります。
ビワの受粉と実つき 1本で実がなる
自家結実性で1本で実がつきます。11〜1月に房状の花が咲き、寒い時期でもハナアブなどが訪れます。花は房に多数つくので、2月に1房あたり2〜3個の幼果を残して摘果(摘蕾は11月に房を半分に減らす)し、3月に袋かけをすると大きく甘い実になります。摘果しないと小さく酸っぱい実ばかりになります。
ビワの病害虫 必ず出るものと対策
がんしゅ病(枝にこぶができて枯れる)が最大の病気で、傷口から入るので剪定後は癒合剤を。虫はナシヒメシンクイ(実に入る)、モモチョッキリ、カイガラムシ。実が熟すと鳥とハクビシンが来るので、袋かけとネットを。梅雨前に収穫が終わるので病気の被害は比較的少ない果樹です。
ビワの収穫時期と糖度を上げるコツ
5〜6月、袋の上から見て全体が橙色に色づき、少し柔らかくなったころに収穫します。ビワは追熟しないので、木で完熟させます。実を引っ張ると傷むので、軸をハサミで切ります。房の中でも日当たりの良い実から順に熟すので、数回に分けて採ります。
ビワの育て方 鉢植え・プランターのサイズと植え替え
12号以上の大鉢に1本。用土は果樹用培養土。3年に1回、3月に根を整理して植え替え。鉢植えは収量が少ないものの、寒冷地でも冬に軒下へ移せるので開花・結実の可能性が広がります。樹高は2m以内に切り詰めて管理します。
ビワが実がならない・よくある失敗
植えて4〜6年は実がつかないので、待てずに諦める人が多い果樹です。次に、摘果せずに小さく酸っぱい実ばかりになる、寒波で花が全滅する、樹が巨大化して手が届かない、があります。実生苗(種から)は10年近くかかることもあるので、接ぎ木苗を選んでください。
ビワの保存と食べ方
収穫後は常温で2〜3日、冷蔵で1週間が限度で日持ちしません。皮はヘタ側からではなく、お尻側からむくときれいに剥けます。まとめて採れたらコンポートやジャム、ビワ酒に。種は生では食べず(有毒成分)、葉はビワ茶にできます。
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