果物の育て方一覧 / イチジク
イチジクの育て方
難易度: とても簡単 ・ 糖度 13〜22度(目安) ・ 初収穫まで1〜2年 ・ 鉢植え可 ・ 1本で実がなる ・ 植えどき 2月・3月・11月・12月
イチジク(いちじく)は落葉果樹に分類される果物で、難易度は「とても簡単(初心者向き)」。植えた翌年から採れ、1本で実がなる。完熟果は店に並ばないので自分で育てる価値が大きい。糖度の目安は13〜22度で、品種によって差があり、バナーネなら17〜22度まで狙えます。中間地では2月・3月・11月・12月に植え付け、初収穫までの目安は1〜2年、収穫は6月・7月・8月・9月・10月です。1本で実がなるので、苗木を選ぶ前に本数を決めておきます。このページでは、品種の選び方から植え付け・水やり・肥料・剪定・受粉・病害虫・収穫までを、イチジクに固有の数字と時期でまとめています。
イチジクの栽培カレンダー
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| イチジク | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ● | ● | ◯ | ◯ |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
中間地(関東平野部)基準の目安。植え付け2月・3月・11月・12月、収穫6月・7月・8月・9月・10月。寒冷地は春の作業が遅く、暖地は早くなります。
イチジクの品種と植え付け時期
同じイチジクでも、品種で糖度・収穫時期・耐寒性が変わり、植え付け適期もずれます。落葉期(休眠期)に植えるのが基本で、寒冷地は厳寒期を避けて春寄りにします。
| 品種 | 糖度(目安) | 植え付け適期 | 収穫時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 桝井ドーフィン | 13〜17度 | 2月・3月・11月・12月 | 6月・7月・8月・9月・10月 | 国内生産の大半を占める夏秋兼用種。大果で育てやすい。耐寒性はやや弱い |
| 蓬莱柿(ほうらいし) | 15〜19度 | 2月・3月・11月・12月 | 8月・9月・10月 | 在来種で秋果専用。耐寒性が強く中間地北部でも育つ。皮が薄く裂けやすい |
| バナーネ | 17〜22度 | 2月・3月・11月・12月 | 7月・8月・9月・10月 | 夏秋兼用で極めて甘い。夏果は特に大きい。樹勢が強い |
| ビオレソリエス | 18〜22度 | 2月・3月・11月・12月 | 9月・10月 | 黒皮の秋果専用種。濃厚な甘さで人気だが着果までやや時間がかかる |
| カドタ | 16〜20度 | 2月・3月・11月・12月 | 8月・9月・10月 | 小ぶりの黄緑皮。糖度が高く、コンポートやジャム向き。耐寒性あり |
品種ごとの植え付け・収穫の時期
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9(今月) | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 桝井ドーフィン | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ● | ● | ◯ | ◯ | |||
| 蓬莱柿(ほうらいし) | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ◯ | ◯ | |||||
| バナーネ | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ● | ◯ | ◯ | ||||
| ビオレソリエス | ◯ | ◯ | ● | ● | ◯ | ◯ | ||||||
| カドタ | ◯ | ◯ | ● | ● | ● | ◯ | ◯ |
◯ 植え付け● 収穫◎ 両方枠線=今月
イチジクの品種の選び方 糖度・受粉・地域で決める
夏果(前年枝の先に6〜7月に熟す)と秋果(今年枝に8〜10月に熟す)のどちらを採るかで品種が分かれます。定番の桝井ドーフィンは夏秋兼用で大果、蓬莱柿は秋果専用で耐寒性があり中間地北部向き。糖度を追うならバナーネ(夏秋兼用・極甘)やビオレソリエス(黒皮・秋果)、コンパクトに育てるならカドタ。すべて1本で実がなります。
イチジクが露地で無理なく育つのは中間地・暖地です。1日6時間以上の直射日光が必要で、鉢植えでも実がなります。
イチジクの植え付け時期と植え方
落葉期の11〜12月か2〜3月に植えます。日当たりと水はけが良ければ土質を選びません。根が浅く横に広がり、水を好むので乾きにくい場所が向きます。寒風の当たる場所では枝先が枯れ込むので南側へ。地植えは3m四方、鉢は10号以上。植え付け時に主幹を50〜60cmで切り戻し、低い位置から枝を出させます。
イチジクの水やり 活着まで・夏・休眠期
水を好み、乾燥すると実が落ちたり小さくなったりします。夏は地植えでも週2回、鉢植えは毎朝夕。ただし収穫直前に大雨や水のやりすぎがあると実が裂けて味が薄まるので、色づき始めたら控えめにします。冬は乾いたら与える程度で十分です。
イチジクの肥料 元肥・追肥・お礼肥の時期
3月に元肥、6月と9月に追肥。肥料を好み、切らすと実が小さく数も減ります。カリ分の多い果樹用肥料が向きます。窒素が多すぎると枝ばかり伸びて実がつかず、冬の耐寒性も落ちます。石灰を好むので、地植えは冬に苦土石灰を少量まきます。
イチジクの剪定 時期と残す枝
12〜2月の落葉期に行います。秋果専用種は今年伸びた枝を2〜3芽残して強く切り戻すと、春に出る新枝に大きな秋果がつきます。夏果も採りたい兼用種は、枝先の夏果の芽を残して切り戻す枝と、強く切る枝を半々にします。イチジクは切り口から樹液が出るので、晴れた日に切り、切り口に癒合剤を塗ります。
イチジクの受粉と実つき 1本で実がなる
国内で流通する品種は受粉なしで実がなるので、1本で構いません。花は実の内側に咲くので見えません。実がつきすぎた枝は7月に小さい実を落とし、1枝に5〜6個に絞ると大きく甘く育ちます。
イチジクの病害虫 必ず出るものと対策
最大の敵はカミキリムシで、幹に穴を開けて木くずを出し、放置すると数年で枯れます。6〜8月に幹の根元をこまめに見て、穴があれば針金を差し込むか専用スプレーを注入します。ほかにコガネムシ、実を食べるアリ・スズメバチ・鳥。病気では葉に斑点が出るさび病。実が熟すと一斉に虫と鳥が来るので、ネットか袋がけを。
イチジクの収穫時期と糖度を上げるコツ
実が垂れ下がり、首(果梗)が曲がって皮に縦の裂け目が入り、触ると柔らかいときが完熟です。完熟果は数時間で傷むので、朝に採ってその日に食べます。店の実は硬いうちに採っているので、木で完熟させたものは糖度が5度以上違います。雨の翌日は水っぽいので晴れの日の朝が最良です。
イチジクの育て方 鉢植え・プランターのサイズと植え替え
10〜12号鉢に1本。用土は果樹用培養土。根が回りやすいので2年に1回、冬に根を3分の1切って植え直します。鉢なら樹高1.5mに抑えられ、実は地植えより小さいものの、翌年から確実に採れます。冬は鉢土が凍らない軒下へ。
イチジクが実がならない・よくある失敗
冬に主幹を切らずに苗木のまま伸ばすと、手の届かない高さにしか実がつきません。もう1つはカミキリムシに気づかず突然枯らすこと。実がつかない原因は肥料切れか日照不足で、半日陰では熟さずに落ちます。熟す前に採って硬く酸っぱい、というのも多い後悔です。
イチジクの保存と食べ方
完熟果は冷蔵で2日が限度。皮ごと4つ割りにして冷凍するとシャーベットになります。まとめて採れたら赤ワイン煮やジャム、ドライイチジクに。少し早採りしたものは生ハムと合わせると酸味がちょうどよく、皮も柔らかい品種はそのまま食べられます。
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